派手なインターフェースが目の前に浮かび上がり、情報がスクリーンではなく目に投影されるSF的な未来を夢見たことのある人なら、成長するウェアラブルテクノロジ市場に大きな期待を持って注目しているはずだ。ウェアラブルデバイスを手がける新興企業Innovegaは「iOptik」システムで、そうした近未来的な理想像に照準を合わせ、メガネに搭載されたプロジェクタからの光を読み取る特別なコンタクトレンズを設計した。それによって、ウェアラブルへの野心という点でGoogleにさえ比肩する可能性のある製品に少しずつ近づいている。
光学ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、周辺視野にスクリーンを浮かび上がらせるフルサイズのメガネや固定式光学機器を通して視野を拡張するデバイスであり、ウェアラブルテクノロジの最先端を象徴する存在になった。現在の大きな課題の1つは、同テクノロジは強力なものかもしれないが、フォームファクタは依然として、風変わりなコンピュータとメガネのハイブリッドをユーザーの顔に装着する方式で、一般市場という不確定要素の多い場所でテストされる機会を得た主要な製品はまだ1つもないということだ。
Googleのウェアラブルデバイス「Google Glass」は、ベータ段階である「Explorer Program」をまだ脱していない(ただし、度付きレンズはやがて登場するようだ)。人々はまだGoogle Glassを恐れており、批判的な人は公の場で装着することを危惧して、人のいない場所でテストを行うという状態が続いている。
2013年のCESで、ユニークなiOptik拡張現実(AR)デバイスをマネキンの頭に装着して展示したInnovegaは、人々が実際に装着したくなるような製品にiOptikが近づいているということに自信を抱いている。しかし、それにはコンタクトレンズという従来にない但し書きがついている。これは、現時点ではまだ真価が試されていない条項だ。最高経営責任者(CEO)のStephen Willey氏が率いるInnovegaは、今週のCES 2014に戻ってくる予定で、今回は完全に機能するプロトタイプを披露する。このデバイスは、デジタルメディアと透明なARデータを付属のレンズに表示させることができる、おしゃれなメガネであり、InnovegaのスタッフがCES 2014の会場で実際に装着する予定だ。
しかし、iOptikシステムを利用するのに、なぜコンタクトレンズを眼球に装着する必要があるのだろうか。近くの物体と遠くの物体の両方に焦点を合わせる(目から数インチの距離にパノラマ画像を表示するときに問題となる)のに役立つ特別なレンズを、メディアやオーバーレイを投影するメガネと一緒に利用することによって、Innovegaは2つのことを同時に行うことができるからだ。ほとんどのウェアラブルデバイスは、1つのことしかできない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス