サムスンが2012年にAppleを抜き世界最大の半導体購入企業となったと、Gartnerは新たなレポートで述べた。
テクノロジ系の調査会社であるGartnerは、チップ購入の有効市場全体を調査したところ、サムスンの購入額が2012年に全体の8%にあたる239億ドルだったことが分かったという。これは前年比29%増で、サムスンのモバイル機器の販売が急増していることを反映している。
これに対し、Appleの購入額は、同年の半導体購入総額の7.2%にあたる214億ドルだった。2011年比で14%増だが、半導体購入額トップの座にとどまるには不十分だった。
Appleがプロセッサへの支出がサムスンより少なかったことを嘆いてはいないだろうが、今回のランキングは、サムスンがモバイル市場での足場を固め、コンピューティング市場全体がPCからモバイルに移行していることを表している。Appleとサムスンは事実上、モバイル業界の全利益を占めており、サムスンは携帯電話の販売台数でトップだ。
主力スマートフォン「GALAXY S III」は「iPhone」よりも売れていると一部のアナリストはみている。テクノロジ系調査会社Strategy Analyticsは2012年11月、サムスンのGALAXY S IIIが第3四半期に世界で最も人気の高いスマートフォンになったと述べた。もっとも、同社はサムスンがそのタイトルを2012年内にAppleに譲るとも予測していた。
一方Gartnerは米国時間1月23日、サムスンとAppleのように堅調な企業はほとんどないと述べた。チップ購入企業上位10社のうち6社は2012年に需要を減らしており、その原因は主にPCの販売低迷だ。コンピュータ市場は苦戦しているが、チップ需要に占める割合は依然として最大だと、Gartnerは指摘している。
Hewlett-Packard(HP)は2010年には最大のチップ購入企業だったが、PCとサーバー製造の大手である同社はその後、不振が続いている。同社は2011年にAppleとサムスンに抜かれて3位に後退し、2012年も同じ順位にとどまった。2012年にHPはチップ購入額を13%減らした。もう1つの老舗PCメーカーであるDellは、過去2年にわたり第4位のチップ購入企業となっている。同社も2012年にチップ購入額を13%減らした。
一方、Nokiaは2011年の10位から今回5位に順位を急落させた。同社は、消費者の好みが変化する中で生き残りに苦戦している。同社の半導体購入額は、2011年から2012年にかけて43%と大きく減少した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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