カカオトークの戦略--朴代表へのインタビューで見えた差別化への考え方 - (page 4)

許 直人(ループス・コミュニケーションズ)2013年01月23日 14時49分

5人同時通話で画期的な使い方を期待

 カカオトークでは、1対1の無料通話だけでなく、最大5人までの同時通話機能を提供している。この機能をほかのメッセージングサービスとの大きな差別化要素として打ち出していくようだ。

 この「5人同時通話」は、いったいどのような利用方法を想定したものだろうか。朴社長は「家族や友達との会話、会議などのビジネス利用など色々な用途が考えられる。ただ、我々の使命は新しいコミュニケーションのインフラを提案すること。思っても見なかったような画期的な利用方法がユーザーの側から生み出されることを期待している」と語った。

 所感だが、カカオの考え方として、アプリケーションのローンチに関しては非常に実験的なアプローチを好むように感じられる。サービス提供者側が緻密に仮説を立ててピンポイントの機能を提案していくより、まず機能をリリースし、ユーザーの利用動向をつぶさに観察して仮説を検証していくようなやり方だ。インタラクティブといってもいいだろう。このようなアプローチはソーシャルゲーム開発やリーンスタートアップにも通じるものがある。

トークPlus

 トークPlusはカカオトークのトークルームから外部のアプリやサードパーティアプリとシームレスに連携できる機能だ。


 トークルームの画面を右にスワイプするだけの簡単な操作で、トークの流れを中断することなく多様なパートナーアプリと連携できる。また、アプリ連携機能のほか、グループで手軽にスケジュールが調整できる新機能も追加されている。

 パートナーアプリは今後も随時拡大していくようで、「Yahoo!オークション」や「Yahoo!ショッピング」など、Yahoo! JAPANの提供する各種サービスや、撮った写真を漫画風に加工する「漫画カメラ」や、さまざまな検定、診断で遊べる「みんなでケンテイ」など、スマートフォンユーザーに人気のあるサービスとも連携していくという。


動く・しゃべるスタンプが全て無料

 カカオトークでは基本スタンプから動くスタンプ、しゃべるスタンプまでを全部無料で提供している。

 1000種類以上のスタンプの中では「カオフレンズ」というオリジナルキャラクターはもちろん、「スヌーピー」「009 RE:CYBORG」「ゲゲゲの鬼太郎」「豆しば」など有名キャラクターと提携したスタンプもあり、ユーザーに人気を博しているそうだ。

 どのスタンプも有効期限があるので将来的に有料化される可能性はあるかもしれないが、スタンプのラインナップが少ない競合のcommに対しては国内における優位性となるだろう。

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