500万ダウンロードのcomm、「悪い数字ではない」--DeNA守安社長

岩本有平 (編集部)2013年01月10日 19時38分

 コーポレートロゴを刷新し、新サービスの提供も発表したディー・エヌ・エー(DeNA)。同日開催された発表会の終了後、DeNA代表取締役社長の守安功氏が来場した記者らの質問に回答した。新サービス「Groovy」やコミュニケーションサービス「comm」の展開などを中心にその内容を紹介する。

--ロゴを変えた狙いは。

 プロ野球に参入してから、会社のブランドを前面に出したいと思いロゴの変更を考えてきた。本当はもう少し前倒したかったが、このタイミングになった。

--さまざまなサービスに「DeNA」と付けることで、どういった効果を期待しているか。

 もともとビッダーズやモバオクなど、どちらかというとDeNAという社名より、各サービスを訴求してきたが、(これからは)DeNAという会社のイメージをきっちり作っていきたいと考えた。


DeNA代表取締役社長の守安功氏

--陸上チーム運営のコストはどれくらいと考えているか。

 いくらとは言えないが、プロのスポーツから考えると、コスト的なインパクトはそれほどない。年間数億円程度だ。まずはゲームとの相乗効果より、スポーツの良さを社会にアピールする、DeNAという会社を知ってもらう。

--どれくらいの期間で決まった話なのか。

 大枠は短い期間だった。年末に近いタイミングだった。

--音楽サービス「Groovy」のビジネスモデルを教えて欲しい。

 今年度中にサービスを始めるので、次回の(会見の)タイミングでお話ししたい。

--基本的には無料アプリとして提供するのか。

 プレーヤーは無料なので、自分の楽曲はもちろん無料で聴けるし、自分が欲しいと思えば有料で購入できる。だが一番の狙いは、音楽を購入する、聴くというだけはない。コメントを書いたりつぶやいている中で新しい音楽が紹介されるといった楽しみ方だ。

 急激にフィーチャーフォンからスマートフォンに移行してきて、サービスもいろいろ変わってきているタイミング。これまでにあった(音楽の)楽しみ方ではなく、スマホらしい楽しみ方にチャレンジしたい。

--もう少しサービスのイメージを教えて欲しい。

 いわゆる(音楽)配信事業ととらえると、すでにやられている方も多いが、そうはとらえていない。どうやって音楽とコミュニケーションを融合するか、ユーザーに長く使ってもらえる場を提供できるかがキモだ。

--既存の音楽配信との違いは。

 音楽配信としては大きな違いがあるかと言えばない。ただ、かなりの数の楽曲は提供されるので、配信のところで他社に劣ることはない。ベースをきっちり用意したところで、音楽を聴くというところ以外で(勝負する)

 まずはプレーヤーを日常的に使ってもらう。音楽とコミュニケーションを一緒に楽しめる場を作ってしまえば、我々のサービスを使ってくれる人も出てくると思う。

--収益の規模感は。

 事業計画はあるが公表したくない。まずは売上よりもユーザーに使ってもらえる環境を作れるかが先。ユーザー目標はまだ語るタイミングではない。

--今後のソーシャルゲームの成長性をどう見ているか。

 一番大きな成長ポテンシャルは、まずは海外。日本ではソーシャルゲームの市場はおそらく4000億円にもなる。それに比べると、米国や欧州、韓国などは2年3年かけて立ち上がってくる。今後大きくなってくる海外市場で我々がどれくらいの存在感を示せるかがカギだ。

--コンプガチャ騒動からの(売り上げの)立ち直りが早かったが、どういった理由からか。

 決算説明会でも聞かれたが、なかなかそれ(コンプガチャ騒動の影響)自体の数字を図るのが難しい。今思うと、ユーザーがゲームを楽しんでくれたからではないか。

--競合では未成年の課金上限超過の問題があった。影響はあるのか。

 今JASGA(ソーシャルゲーム協会)で、どういう取り組みをするか考えている。業界全体で青少年保護は打ち出していきたい。具体的なスケジュールはまだない。

--commはMobageと連携していないが、あえて“強み”を使わない理由はあるのか。

 未来永劫まったくつながないということではなく、commはcomm、GroovyはGroovyで、それ自体が競合と比べても使われれるものをまず作らないといけない。それぞれ支持されるようになった段階で統合していく。

--commは2012年内にも1000万ダウンロードを目標にしていたが、現状500万ダウンロードとなっている。

 目指していた水準には届かなかったが、悪い数字ではない。500万というのはほとんど日本のユーザー。これから海外でもプロモーションを始めるので、海外はこれから。アクティブについては公表していない。

 やはりLINEは非常に強い。LINEにはない、差別化したコミュニケーションを何とか作っていかなければならない。

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