米連邦取引委員会(FTC)は、Motorola特許を侵害しているとして同社が訴訟(既に棄却済み)において申し立てていた「iPad」や「iPhone」の販売差し止め請求について、「競争やイノベーション、消費者に悪影響を与えるおそれがある」として、Apple側に有利な姿勢を明らかにした。
FTCは米国時間12月5日、米連邦巡回控訴裁判所に提出した法廷助言書の中で、標準必須特許の保有者が、その特許が標準として宣言される前に取り決めることができなかったような高額の特許料や自社に有利なライセンス条件を要求するため、販売差し止め命令を脅しとして用いていると主張している。
FTCは声明において「標準がいったん採用され、実装者がその標準に関連した投資を開始した後には、相互運用性を損なわずして当該標準で用いられているテクノロジを変更することは、非常に困難である」と述べている。
FTCは、Appleが実際にMotorolaの特許を侵害しているかどうかについては判断を下していないものの、ライセンス条件に関する話し合いが決裂した際には「適切なアプローチとしては通常、特許保有者が利用できる救済手段を制限して、特に金銭的な賠償請求のみを許し、当該特許技術が組み込まれている製品の販売差し止め請求を許さないことになる」と述べている。
この法廷助言書は、タブレットやスマートフォンをはじめとするモバイル機器で使用されているさまざまなテクノロジに関してイリノイ州で起こされた特許訴訟の一環として提出されたものであるが、訴訟自体は6月に棄却されている。このため、FTCによる今回の書類提出は、控訴手続きに対するものとなる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」