一部報道によると、米連邦地方裁判所判事はApple対Motorolaの特許訴訟を恒久的に棄却したという。
All Things Digitalによると、AppleもMotorolaも損害を証明することができなかったため、請求を再度申し立てることは認められないと、イリノイ州北部地区米連邦地方裁判所のRichard Posner判事は述べたという。
記事によると、Posner判事は判決の中で、「損害を証明できなかったという理由で訴訟を棄却した後、原告に対して、損害を証明する二度目のチャンスを得るために再度訴訟を提起することを認めるのは、馬鹿げている。したがって、本訴訟の請求は恒久的に棄却された。米国時間6月22日、その旨の命令が別に出される」と述べたという。
Posner判事は6月、GoogleのMotorola Mobility部門に対するAppleの特許侵害陪審裁判を中止し、その後、差し止め命令審理を求めるAppleの申請を認めた。
Reutersによると、Posner判事は20日、AppleがMotorolaスマートフォンに対する差し止め命令を求めていることに強い疑念を示し、販売差し止め命令は「悲惨な結果を招く」可能性があり、「公共の利益に反する」と述べたという。
Appleは同社の「iOS」とそれに競合するGoogleの「Android OS」に関して、特許戦争を戦っている。Motorolaは2010年、一部の人が先制攻撃と見なした行動に出てAppleを訴えたが、訴訟が続くにつれて、Motorolaの主張の多くは棄却され、同社の武器はほとんどなくなってしまった。
Motorolaに残された主張の1つは、特許対象テクノロジが業界標準になることと引き換えにほかの企業が使用することを認めた特許(いわゆるFRAND特許)に基づいていた。Reutersによると、Posner判事は、Appleに対して「悲惨な結果」というコメントを述べたとき、Motorolaの弁護士に「本質的に標準になっている特許の使用に対して、どうして差し止め命令を発せられるべきと考えるのか私には分からない」とも述べたという。
22日夜の判決、そして、それに伴ってMotorolaデバイスに対する差し止め命令を求めるAppleの申請が却下されたことはMotorolaの勝利だが、同訴訟におけるPosner判事の判決とコメントは1社の企業以上のものに向けられているように思える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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