11月12日~11月18日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
iPhone 5、iPad miniなど、新製品を登場させ、さらにiMac、Mac mini、iPad、そしてMacBook ProをリニューアルしたApple。ユーザーとの接点となるハードウェアを充実させ、年末年始商戦の準備を完了した。一方で、早くも来年以降の製品とビジネスを占う動きが出始めている。
11月16日前後から、LTE版のiPad miniが米国の予約済みユーザーのもとに届き始めた。先週の記事でご紹介したとおり、複数のデバイスでデータプランを共有できるおかげで、米国では安価に通信対応のタブレットを増やせるため、Wi-Fi版のiPad miniよりLTE版を選ぶユーザーが多く見込まれる。他のタブレットとは違う動きを見せるのではないだろうか。
アナリストは、iPad miniとiPadの共食いは少ない、との指摘をしているが、実際にiPadとiPad miniを両方利用して比較してみれば、利用シーンやポジションなどの違いを体験できる。アプリや利用シーンの充実から、iPad miniはこれまでのiPadのタブレットのポジションを、そしてiPadはこれまでのパソコンのポジションをそれぞれ担うようになった。
デバイスのモバイル化、ダウンサイジング化によって、共食いとは違う市場の変化を見ていくことになるだろう。
「iPad mini」、第4世代「iPad」に対する「共食い」は少ない--アナリスト調査(11月15日)Apple StoreはAppleが提案する新しいライフスタイルやデバイスにまず「触れられる場所」として、そしてApple製品で困ったことがあると「駆け込む場所」として認知が進んでいるが、「買う場所」としての評価や結果も出てきた。RetailSailsが全米の小売り店を調査したところ、Apple Storeは2012年までの1年間の床面積あたりの売上が最高になったとしている。
Apple Storeの1平方フィート(およそ930平方センチメートル)あたり6050ドルの売上は、2位のティファニーの倍以上にあたるが、2011年のApple Storeは5626ドルであったことから、さらに売上を伸ばしていることが分かる。
米国のApple Storeは商業エリアやショッピングモールなどに、多彩なサイズで展開しているが、常に混雑しており、重要なコミュニケーションのポイントだけでなく、ランドマークのような役割を果たしている。日本人の視点から見れば、店舗のキレイさ、統一されたブランド感、そしてApple製品にフォーカスされたサードパーティ製のアクセサリの充実度合いは、群を抜いている。
東京など、日本の都市にはもっとApple Storeがあってもいいように思うが、そのためか“特別な場所”という印象を与え続ける。身近なコミュニケーションのポイント、特別な場所など、統一感の中に多彩な役割を与えられる、リテールストアの「プラットホーム」は、今後も注目する必要がある。
アップル直営店、単位面積あたり売り上げで首位を維持--米調査(11月14日)先週は2012年第3四半期に、Appleのタブレット市場におけるシェアが50%まで下落していることを紹介したが、スマートフォン市場はどうだろう。2012年第3四半期の上位3社はSamsung、Nokia、Appleの順で変わらずだが、Nokiaのシェアは昨年の23.9%から19.2%に下落している。
iOS 6やOS X Mountain Lionで中国市場でメジャーとなっているウェブサービスのサポートを果たし、中国市場を狙おうとしていることが分かる。しかし現況では、Androidがシェアの9割を確保しており、価格が3倍以上である点がAppleデバイスの普及における障害の1つになっている。
また中国最大の携帯電話会社であるChina Mobileは、通信方式の違いから、iPhone 5やiPadシリーズをそのまま中国に投入しても、LTE通信はできない。
現在我々が利用しているiPhone 5やiPadのLTEの方式は、FDD-LTEと呼ばれるものだ。中国では、これと異なる方式でインフラ整備が行われていくと見られている。米国Sprintが計画していたり、ソフトバンクが「SoftBank 4G」として提供したりしているAXGP、KDDIが導入を計画しているWiMAX 2+と技術を共有するTD-LTE方式だ。
AppleはiPhoneやiPadをこれらに対応させることで、シェアこそAndroid優勢の状況は変えられないだろうが、他の複数の国での需要に匹敵するほどの大市場を開拓できるようになり、これは魅力的な選択になりうる。
11月13日、Appleが新しいiPhoneやiPadを2013年にリリースするのではないか、という報道がなされた。上の経緯を考えると、これらは我々に直接影響があるものではなく、中国市場に対処するためのものになる可能性が高いのではないだろうか。
アップル、新しい「iPhone」「iPad」を2013年前半にリリースか(11月13日)AppleとSamsungの裁判は、最新のiPhoneやGalaxyを販売差し止めなどのリストに加える動きをお互いに見せる中で、今週1つの動きがあった。
SamsungのようにAppleと法廷での争いを繰り広げてきたAndroid、Windows Phoneなどを製造している台湾のメーカーHTCが、Appleとライセンス契約で和解し、2013年に出荷するスマートフォン1台あたり6~8ドル、総額1億8000万ドル~2億8000万ドルのライセンス料がAppleに支払われることになるという。
これに対して、SamsungはAppleとの交渉そのものに応じない姿勢を見せ、またサプライヤーとしてもAppleに厳しい条件を突きつけるなど、対決色をより色濃くしている。特にA6などのプロセッサは、製造を任せられるメーカーがSamsungしかないことから、20%もの値上げを受け入れる結果となっている。
今後、米国や中南米での部品調達や組み立て、またシャープなどのディスプレイ技術の活用など、Appleがどのように製品を作るのか。Samsungとの争いを視野に入れながら進んでいくことになる。
アップルとHTC、特許訴訟で和解--10年間のライセンス契約に合意(11月11日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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