「iPad」が「iPad mini」とRetina Display搭載モデルという2つのファミリに分かれた今、製品としてのiPadはどこに向かっているのか、と疑問に思うかもしれない。筆者も、iPad miniの登場以前でさえそう思っていた。Retina Displayを搭載した第3世代iPadは、非常に完成された製品だったので、筆者は好奇心をかき立てられた。iPadはこの先どうなるのだろうかと。
iPad miniをレビューしてから数日がたち、筆者は「大型のiPad」とiPad miniを交互に見比べている。両方を持ち歩いているし、家の中でも外でも使っている。エクスペリエンスの面では非常に良く似ている。違うのはサイズと速度だ。しかし、ほかにも何かが進行しているように思われる。iPadはある程度、過渡期に入りつつあるのだと筆者は考えている。
9.7インチの「大型のiPad」は、これまでの4世代はかなりよく似ていた。デザインが最も変化したのはiPadから「iPad 2」への移行時だが、それでも非常に似通って見えた。iPad miniは、デザインの変化としては唯一で最大のものだ。ベゼルの幅は狭くなって、「iPhone」や「iPod」のデザインに近付き、はるかにポータブルな感じがするようになった。
iPad miniが小さくなったiPad 2であるというなら、2013年のiPad miniは、新しい「iPad 3」か、あるいは「iPad 4」になるだろう。2013年には、iPad miniはいくつかの追加機能(Retina Display)を搭載して、電子書籍を読んだり、メディアを見たり、ゲームやアプリを使ったりするのに本当にぴったりのデバイスになるだろうと筆者は期待している。それは最も手ごろな価格で、最もポータブルなiPadであり、多くの人が手に入れようと思うデバイスになるだろう。
では、大型のiPadはどうなるのだろうか。
筆者は最近、iPad miniよりも第4世代iPadのほうをクラス最高のiPadだと勧めた。そのパフォーマンスと素晴らしいディスプレイのためだ。しかし第4世代iPadとiPad miniの差は、予想されていたよりも小さい。iPodと「iPod mini」はストレージ容量に違いがあった。現在、大小のiPadの差は、主にプロセッサとディスプレイの品質だ。これらは重要な要素だが、すべてのユーザーがそうした違いを気にしたり、それを高く評価したりするわけではない(ノートPCの世界で言えば、それはウルトラブックとネットブックの違いのようなものだ)。
次のiPadでは、クアッドコアプロセッサが採用され、ストレージ容量が増えるのは明らかだ。それ以外に次に何が来るのかは筆者には分からない。iPadが再び大きく前進して、ノートブックの代わりのモバイルコンピュータになるということ以外は。
大型のiPadを、「iOS」と「Mac OS X」が出会う場所にするというのはどうだろうか。筆者はこの接点に長年思いをめぐらせてきた。そしてiOSとOS Xはいろいろな意味で近付いてきているものの、iPadがさらに大きく一歩進める時が来ると考えている。
実際はどうなのだろうか。iPadはすでに、感覚的にはさまざまな面で前進している。筆者は日常的に、自分のiPadにキーボードを取り付けて使っている。多くの人はiPadからブログを書いたり、それを再定義されたコンピュータとして使ったりしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス