Appleは「iPad mini」のこれまでの販売台数について明らかにしていないものの、少なくとも1人のアナリストは、同デバイス発売後の最初の週末に販売された「iPad」シリーズのほとんどがこの小型デバイスだったと推測している。
Appleは米国時間11月5日、直前の週末におけるiPadシリーズの販売台数が300万台を超えており、「新しいiPad」をこの3月に発売した際の2倍の販売台数を達成したと発表した。とは言うものの、そのうちの何台がiPad miniであるのかや、第4世代iPadであるのかについては明らかにされていない。
Piper JaffrayのアナリストであるGene Munster氏の推定によると、iPad miniの販売台数は200~250万台となっており、同氏による当初の見積もりである100~150万台をはるかに上回っているという。同氏のこの推定は、店頭に並んでいた人々を対象とした調査において、おそよ10人のうち9人の割合で、フルサイズのiPadではなくiPad miniを購入する予定だという結果に基づいている。
Munster氏は、12月31日を末日とする四半期におけるiPadシリーズ全体の売上を126億ドルと予測した自らの見積もりを変更する必要性を感じていないと述べている。とは言うものの、iPad miniの在庫状況によっては、販売台数の内訳や、総販売台数が変わってくる可能性もある。
Munster氏は「具体的には、総販売台数はiPad miniにけん引されて伸びるかもしれないが、共食い現象によって若干の影響を受け、(平均販売価格の)低下を考慮すると、売上自体は変わらないという結果になるだろう」と述べるとともに、「われわれは現在、10~12月の四半期におけるiPadシリーズの総販売台数を2500万台と見積もっており、その内訳は2000万台のフルサイズiPadと500万台のiPad miniである」と述べている。
一方、J.P.MorganのアナリストであるMark Moskowitz氏も、iPad mini発売直後の週末における販売のほとんどは同デバイスによるものだという見方に同意している。
Moskowitz氏は、Wi-Fi + Cellular機能を搭載したiPad miniと第4世代のiPadが11月下旬に販売開始となることもあり、iPad miniはその勢いを失うことなく、低価格の小型タブレット市場でシェアを獲得していくと同時に、PC市場や電子書籍端末市場を侵食していくだろうと予測している。
「世界的に経済の先行きが不透明ななかで、価格に敏感なコンシューマーは、PCよりもiPad miniの購入により魅力を感じるはずだとわれわれは考えている。われわれの見方では、徐々に用途を広げていけるということは、タブレットを初めて購入するユーザーにとって差別化要因となる。経済情勢が厳しいなかでは、エンドユーザーはユニークな、『満足感を得られる』製品の購入に向かいやすくなるため、PCに比べるとタブレットが有利になると考えられる」(Moskowitz氏)
また同氏は、iPad miniによって、「iPhone」シリーズではなくiPadシリーズがAppleの主な成長市場になると確信している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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