「Surface」と「Windows 8」は、使い方を変えられる融合型デバイスへの道を切り開いている。そうしたデザインコンセプトの一部はユーザーの心をとらえるかもしれないが、ほかの多くは確実に失敗するだろう。もしかしたらそれは、Appleが独自のハイブリッド型デバイスを数年以内に開発することにつながるかもしれない。iPadにキーボードとトラックパッドを追加して、Macとの互換性を持たせれば、それは中間的なデバイスになる可能性がある。
MicrosoftのSurfaceと、Windows 8搭載タブレットは、真のハイブリッド型デバイスへの道を示している。筆者の妻が言ったように、Surfaceの広告には非常に説得力がある。キーボードを取り付ければどこでも使える、ノートPCとタブレットが出会った魅力的な製品だ。
iPadは、本当の意味でコンピュータの代わりとなるデバイスへとすでに近づいてはいるが、まだそこに到達してはいない。iPad用のキーボードはあるが(筆者はそのほとんどを試してみた)、ほとんどの場合、入力用アクセサリに過ぎない。それらにはトラックパッドがない。通常のノートブックと同じようにiPadを操作することはできない。
率直に言えば、AppleはMicrosoftほど積極的になる必要はない。iPadは大きな成功を収めている。App Storeは圧倒的な力を持っている。iOSは巨大なプラットフォームだ。こうしたすべての理由によって、Appleは今の成功を継続し、さらに同じようなデバイスを構築する道を進んでいる。変化の時はまだ到来していない。
Appleにそうした変化は起こるのだろうか。筆者は、その変化は2013年にも、2014年にも起こらないと考えている。ただし、iOSとOS Xが1つにならなければいけない時が来るだろう。Windows 8は未来の前触れだ。Microsoftはアプリプラットフォームを持っていない。それゆえにWindows 8を登場させた。一方Appleは、自らのプラットフォームとOSの両方を一緒にするだけでいい。なぜならiOSはいろいろな意味で、モバイルプラットフォームよりも大きなものになりつつあるからだ。それは、Appleの背景に広がる主軸のソフトウェアになってきている。
Mac OS Xはすでにバージョン10.8になっている。11になったらどうなるのだろうか。筆者は以前から、それは、AppleのiOSとOS Xが融合して1つの世界を作り出す瞬間になると考えてきた。
デスクトップコンピュータの「iMac」は薄くなってきている。「MacBook」もそうだ。どちらもデザインの面では、iPadの精神に近づいているように感じる。iPadとキーボードを合体させることを想像するのは、それほど飛躍した考えではない。それはタッチスクリーンを搭載した究極の「Mac」になる可能性がある。キーボードから切り離せばiPadに、合体させればMacBook Airになるかもしれない。デスク上に置けば小型のiMacになり、懐かしの「PowerBook Duo」を思い起こさせるかもしれない。
Appleがこうしたことを構想しているのかどうかは分からないが、iPadが永遠にMacと別の道を進むとは考えられない。OS Xが最終的に退くか、両方の環境が進化するかのどちらかだ。大型のiPadについて言えば、プロセッサがさらに一段進んで、クラウドサービスが向上を続ければ、これらの世界は最終的に1つに歩み寄るだろう。
そうなる場合、大型のiPadは、AppleによるSurface風デバイスの中心に据えられるだろう。まずAppleは、キーボードアクセサリの分野に舞い戻る必要がある。次に、iOSはもっとMac的な環境をサポートする必要がある。ほかのサプライズもあるかもしれない。
近い将来については、iPadは魅力的な2種類の製品ラインを維持していくことで全く問題ないように見える。その先は、iPadとiOSにもっと思い切った前向きな姿勢を取ってほしいと思う。現在は、未来に向けた試みを進めているのはMicrosoftであり、安定した状態にあるのはAppleだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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