読みたい本が必ずしもあるわけではないのも、電子書籍のネックのひとつだ。たとえば2010年ごろの電子書籍ストアは蔵書数が2万点前後とされていたが、2万点というのは街の商店街にある個人経営の書店とほぼ同レベルだ。自分の好きなジャンルに特化していればまだ選びようはあるだろうが、全ジャンル合わせて2万点というのは、たくさんの候補の中からよりどりみどりといった状況には程遠い。
最近でこそ、多くのストアが蔵書数5~6万点をそろえるまでになってきたが、まだそれでも読みたい本が見つからないケースはざらだ。また、新刊が紙と同時に発売されることもまれで、すっかりブームが去ってから発売されることも少なくない。将来的に、大ヒット小説の続編が紙よりも先に電子書籍として発売されるような戦略的なプロモーションがあればブレークスルーになる可能性はあるが、いまのところはまだそうした試みは限定的だ。
また電子書籍化された本も、内容については紙版とまったく同じとは限らず、特に雑誌については著者や権利者から許諾を得られなかった一部記事が省かれている場合がある。なかには表紙に見出しが載っているのに本文では省かれているケースがあるので、気をつけたいところだ。もっとも、事前にチェックする方法がほとんどないのも事実だ。
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