電子の特徴を活かした読みやすさにも注目したい。多くの電子書籍では、文字サイズを自由に変えることができる。端末やビューアによっては行間、余白、背景色、さらにはフォントの種類まで変えられるので、自分の見やすいスタイルで読める。紙の本は文字が小さくて読みづらいと感じる人にもぴったりだ。夜用の表示モードとして、MS-DOSの画面のように白黒反転させられる製品もある。
スマホやタブレットなどの液晶端末であれば、バックライトを使って暗いところで読むこともできる。夜、床について部屋の照明を消してからでも読書が楽しめるのは、読書好きのユーザーにとっては魅力だろう。最近は電子ペーパーを採用した読書専用端末でもライトを搭載した機種が増えつつあり、これらの機種では液晶のようなバックライトではなくフロントライトを採用しているため、目にやさしいのが特徴だ。
また紙の本を読む際、ページを開いたままの状態にするためには手で押さえておかなくてはいけないが、電子書籍ではその必要もない。多くのデバイスは片手でページをめくれるので、電車内で吊革につかまり、もう一方の手で読書を楽しむのも容易だ。食事をしながら本を読む際、両手がふさがっていても本のページが閉じないのも、食事中になにか読むものがないと落ち着かない人にとって魅力的に感じられるはずだ。
ちなみに欧米であれば、ここにもうひとつ「音声読み上げが可能」という特徴が加わるのだが、主に技術的な問題から、日本ではあまり普及の兆しがない。一部のデバイスで実現している読み上げ機能にしても、デバイス側の機能に加えて電子書籍そのものが音声読み上げに対応している必要があるため、対応の範囲は限定的だ。専用端末では低価格化と並行して音声出力機能そのものを省く動きも見られるので、普及は当面期待しないほうがよいだろう。
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