ブラウザを選ぶとき速度は重要な要素だが、多くの人は自分のお気に入りのブラウザが高速である理由を知りたいとは思わない。彼らが気にするのは、高速であるという事実だけだ。しかし、ブラウザの速度の計測方法を決定するために利用される標準やテストは変化することがある。そこで、Googleはテスト環境をより明確にする取り組みに着手した。
ただし、これはGoogleがオープン標準を踏みにじる事例ではないように思える。Googleが米国時間8月21日、「Octane」を発表する ブログ投稿の中で述べたところによると、「Octane v1」は同社のV8ベンチマークを刷新したものであり、現行の8種類のテストに新たに5つのテストを追加するという。
GoogleのV8担当プロジェクトマネージャーであるStefano Cazzulani氏は、ドイツから米CNETとの電話インタビューに応じ、「V8ベンチマークスイートはここ3年以上にわたって、大いにわれわれの役に立ってくれた。しかし、ウェブは想像をはるかに上回る速さで進化している、ということにわれわれは気づいた」と述べた。V8は、Googleが「Google Chrome」ブラウザのHTMLレンダリングエンジンである「WebKit」に追加した同社のカスタムJavaScriptエンジンだ。
OctaneはV8が進化したものである、とCazzulani氏は述べた。「V8は今後も存在し続け、興味深いものであり続けるが、今日のユーザーのためにわれわれが注力しているのは、これらの新しい(テスト)だ。われわれは、(ブラウザのベンチマークを行う)すべての人にそれを使ってほしいと思っている」(同氏)。
Octaneの新しいJavaScriptテストはオープンソースなので、誰でもアクセスすることができる。同テストは、計算やビット演算、未来のコンピュータ言語機能のサポート、エミュレーション、JavaScriptのパースおよびコンパイル、浮動小数点計算、doubleを含むプロパティ、アクセサプロパティといった、JavaScriptの複数の特徴を確認することができる。
Octaneに搭載された5つの新しいテストは次のとおりだ。JavaScriptで実装されたMozilla(「Firefox」の開発元)のPDFリーダーで、デコードと解釈にかかる時間を計測する「pdf.js」。C++から移植された「3D Bullet」物理エンジンを実行する「Mandreel」。「GameBoy」アーキテクチャをエミュレートして3Dシミュレーションを実行する「GB Emulator」。ソーシャルウィジェットのような大規模なJavaScriptプログラムを読み込んだ後、JavaScriptエンジンがどれだけ迅速にコードの実行を開始できるかを計測する「Code Loading」。広範に利用されている2D物理ゲームエンジンの「Box2DWeb」。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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