複雑な特許訴訟の場合、陪審員に単純なストーリーを伝えることが勝利の確率を大幅に高める。
Appleが携帯電話機メーカーを訴えるのはそのためだ。HTCやサムスンのような企業が相手であれば、Appleは単にいくつかのスマートフォンを持ち出して、そうしたデバイスから得られた売り上げを提示することができる。デザインや感触について多く主張し、特許の複雑さについての主張は控えることで、Appleは陪審員が納得できる主張を展開している。サムスンがスマートフォンメーカーとしてはAppleに次ぐ世界第2位の利益をあげていることも有利だ。
Stroock & Stroock & Lavanの特許専門弁護士であるPierre Yanney氏は、「原告としては、被告が多大な金額を稼いでいることを示せれば、仕事がやりやすくなる」と述べている。
企業が問題の製品から売り上げを得ていれば、陪審員にとってはより多額の賠償金を認めることが正当化しやすくなると、Yanney氏は付け加えている。
法律専門家によれば、Appleはその範囲を広げてGoogleも訴えることもできたが、GoogleがAndroidから直接の売り上げをあげていないことを考えれば、その主張はより困難なものになっていただろうという。それでも法的には、たとえ売り上げが間接的であっても、AppleはGoogleによる侵害特許の使用がAppleのビジネスに悪影響を与え、金銭的な損害を強いたと主張できたはずだ。
法律専門家によれば、そのように訴訟の範囲を広げることは、より複雑な主張を生じさせ、また最近の裁定はそうした議論をさらに複雑にしたかもしれないという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?