サンフランシスコ発--カリフォルニア州北部地区米連邦地方裁判所のWilliam Alsup判事は米国時間5月31日、Oracle対Googleの訴訟で問題となっている37件のJava APIについて、その構造、並び、構成は著作権による保護の対象にならないとの判断を示した。
ただしこの裁定は、同訴訟における著作権のフェーズで問題となったAPIだけに関わる限定的なものだ。
Oracleは、モバイルOS「Android」に採用された37件のJava APIの使用に関する著作権侵害をめぐってGoogleを提訴した。Googleは、プログラミング言語Javaを利用するにはこれらのAPIが必要で、Javaが自由に使える以上、APIも自由に使えると主張した。Oracleは、GoogleがSun Microsystemsのライセンスを取得しないまま意図的に当該APIを使用したとの主張を試みていた。Sun Microsystemsは2010年、Oracleに買収されている。
今回の判決に先立つ5月7日には、同訴訟の著作権のフェーズにおいて陪審が部分的な評決を下し、12人の陪審員はGoogleがOracleの著作権を侵害したと述べた。ただし、フェアユース(公正な利用)の問題については陪審員の意見が分かれた。
だがAlsup判事は今回、37件のAPIがそもそも著作権による保護の対象にならないという判断を示すことによって、Googleに有利な判決をもたらした。
ここで理解すべき重要なポイントは、Alsup判事の裁定が同訴訟でのAPIだけに言及している点だ。API全般に及ぶ広範な判断、つまり今回の判決を重要な判例に変えることになりかねない判断が示されたわけではない。
Alsup判事は判決文に次のように書いている。「この命令は、Java APIパッケージがライセンスなしで誰でも自由に使用できると定めるものではない。すべてのコンピュータプログラムの構造、並び、構成を盗用してよいということにはならない。そうではなく、本訴訟の具体的な状況において、Googleによって複製された特定の要素は著作権法の下で誰でも自由に使えるものとする」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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