サムスンは今週、同社の人気スマートフォンの販売差し止めが今後もしばらくの間は延期されるという、ささやかな勝利を収めた。米国時間7月30日、米連邦巡回控訴裁判所はサムスンの主張を認め、「Galaxy Nexus」に対する販売差し止めの仮処分について保留期間を延長した。
これまでのやり取りを振り返ると、Appleが保有する複数の特許を侵害しているとしてNexusの一時的な販売差し止めを同社が求めたのに対し、米連邦地方裁判所Lucy Koh判事は6月、この申し立てを認めた。
サムスンは7月1日、この決定に対して不服を申し立てた。しかし、Koh判事は、販売差し止めの一時的な保留を求めたこの申し立てを却下している。一方Appleは、販売差し止めに必要となる9560万ドルの供託金を納めた。供託金は、最終的にサムスン側の主張を認める判決が下された場合に、サムスンの損失を補償するためのものだ。
サムスンはその後、Koh判事を避ける形で、自社の正しさを証明するために米連邦巡回控訴裁判所にこの件を直接持ち込んだ。同裁判所はNexusの販売差し止めの一時的な保留を認めた。30日の決定によって、審理が行われる8月20日までさらに延期され、裁判所はサムスンの申し立てに対する最終的判断を下すことができる。
Foss PatentsのFlorian Mueller氏は7月30日、以下のように述べている。「実質的に、これは(裁判所の命令で明示されているように)一時的な保留(控訴期間を通して販売差し止めを保留にするという申し立てに対して裁判所が決定を下すまでの保留)が引き続き有効だということを示している」
裁判所は審理の後、どの程度の期間で決断を下すかを示していない。Mueller氏の考えでは、裁判所が十分な情報を入手してこの件を十分に検討したと判断した時に、それがいつであれ決断が下されるという。
Mueller氏は販売差し止めの保留期間が延長されたことについて「ややサムスン寄り」だと考えているが、この件について立証する責任はサムスンにかかってくる可能性が高いという。
Mueller氏は、「控訴に対する判決は8月20日の審理の後にいつでも下される可能性があるが、残りの控訴手続き期間も販売差し止めが保留されることは理にかなっている。販売差し止めによるサムスンの損失は、保留延期によるAppleの損失よりも明らかに大きいためだ」と説明している。「もし、保留に関する申し立てについて判断を下すために裁判所がさらなる情報を必要とするなら、サムスンは自らの申し立てを認めさせるためにもう少し前進しなければならないだろう」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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