Appleは米国時間7月24日、「iPhone」の販売台数の衰えが主な原因で珍しく予測を下回る決算を発表した。それにより、Appleの株価は一時下落し、ウォール街のアナリストは同社の現四半期の見通しと金融モデルについて評価し直した。
この状況は、いくらか奇妙な問題だ。2012会計年度第3四半期にiPhoneの販売台数が低迷したのは確かだが(販売台数は予測されていた2900万台を下回る2600万台だった)、Appleは、同社のファン層が単に新しいバージョン(つまり「iPhone 5」)が発売されるまで新製品の購入を控えているにすぎないと強調している。
そして、ほかの多くの製品アップグレードとともにこのことを考慮すると、現在の四半期ではなく、ホリデーシーズンを含む四半期(Appleの2013会計年度第1四半期)に注目したくなる。だがその前に、現四半期は特異な時期に重なっており、そのために少し退屈な四半期になるかもしれない、ということについて精査してみよう。
2011年の製品サイクルが何らかの指標になるとすれば、2012年9月末締めの同社の第4四半期は、製品発表が特に少なくなる可能性がある。Appleは2011会計年度第4四半期、「OS X Lion」を発売し、複数の「Mac」をアップデートして、高速化したプロセッサと「Thunderbolt」I/Oテクノロジを導入した。しかし、そのほかは何もなかった。
Appleは現四半期(同社の2012会計年度第4四半期)、7月25日に発売された「OS X Mountain Lion」のリリースによって、前年と同じ戦略をとっている。ただし、同社のMacラインアップの中で最も重要な部分といえるノートブックについては、「MacBook Pro」と「MacBook Air」の新バージョンが6月に発売され、重要なアップデートが実施された。
Appleは現四半期について、売上高が340億ドル、1株当たり利益が7.65ドルと予測している。その売上高予測は前年同期比で20%増だが、ウォール街は7月24日まで、Appleが380億ドルの売上高を計上し、10.22ドルの1株当たり利益を得ると予測していた。そうした予測はすでに変更されている。
Appleには若干の希望の兆しもある。iPhoneの減少分を極めて迅速に補い始めた「iPad」だ。Appleは第3四半期に1700万台のiPadを販売した。2011年の成長が何らかの兆候を示しているとすれば、2012年会計年度第4四半期の販売台数はさらに増加する可能性がある。さらに重要なことに、AppleはiPadの新モデルの発売時期として春を選択した。そのことは、iPhoneの買い控えで売り上げに影響を受ける、これらの不調な四半期を埋め合わせるのに貢献している。
第4四半期にAppleのiPadの販売台数を押し上げる要素になると考えられているのが、同社のより安価なモデル、つまり399ドルの「iPad 2」だ。Appleは24日、iPad 2が売上高に恩恵をもたらすと説明した。また、Appleは、6月のハードウェアアップデートの対象にならなかったMacのアップデートを発表する可能性もある。それには「iMac」や「Mac mini」が含まれる。いずれも、いつアップデートが発表されてもおかしくない時期に来ている。
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