ここまで述べたところで、10月1日から始まるAppleの2013会計年度第1四半期について考えよう。Appleが2011年のスケジュールを踏襲した場合(もちろん、その可能性は低いだろうが)、すべてはiPhone次第だ。
予想されたとおり、Appleは2012年7月24日の決算発表の場で次期iPhoneに関する複数の質問を受け流した。ただし、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は、「秋に製品の移行」があり、それは向こう数カ月の売り上げのガイダンスに織り込まれていると述べ、かなりはっきりとヒントを提示した。
また、第1四半期で忘れてはいけないのは、iPodラインアップの一新だ。確かに、iPod事業は落ち目だが(それはAppleの責任だ)、依然として多額の売り上げをAppleにもたらしている。同社は2012会計年度第3四半期、680万台のiPodを販売し、10億6000万ドルの売り上げを記録している。
Apple製品のアップデートを見据えるのはごく簡単なことに思えるが、24日の予測を下回る決算発表の裏には当然ほかの要因もあった。そこには、前期比22%減だったアジア太平洋地域や6%減を記録した欧州など、アメリカ大陸以外の地域における不景気も含まれる。
Cook氏は24日の電話会議で、それらの地域のさらなる悪化を懸念する声に対して、Appleは継続して製品に注力し、「攻撃的」な価格設定を維持すると答えた。
Cook氏はアナリストに対し、「われわれは長年にわたり繰り返し見てきたが、革新しない人々から自らの距離をより一層置くのは、このような時期である。このことがわれわれとそうした人々の間の差を広げる。われわれが注力しているのはそういうことだ」と述べた。
しかし、Appleは依然として、iPhoneの発売以来享受してきた利益水準をいつまで維持できるのかという問題を抱えている。さらに重要なことに、同社は今後もGoogleやMicrosoft、サムスンと競争していけるのかという懸念もある。競合他社がiPadより数百ドル安い7インチの新型タブレットを次から次へと発売する中で、Appleのタブレット事業についても同様の懸念が持ち上がっている。
「Appleにとって何よりも大切なのは、世界で最高の製品を作り続けることだ。そして、われわれはこの作業に極めて献身的に取り組んでおり、非常に熱心に力を注いでいる」(Cook氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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