「Windows Phone 8」と「Windows 8」の互換性強化--アプリ開発への効果は

Josh Lowensohn (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年06月27日 07時30分

 アプリやゲームの開発では、マルチプラットフォームに対応することは大掛かりな作業だ。コストや複雑さが増す上に、開発者が完成品を発表するのに要する時間も長くなる。

 Microsoftはそうした構造を変えたがっている。特に、同じ名称を共有する同社の2つのコンピューティングプラットフォームでの開発について、そう考えている。

 Microsoftは米国時間6月20日、サンフランシスコで開催された開発者プレビューイベントで、同社の携帯電話向けOSの次期メジャーバージョンである「Windows Phone 8」を披露した。Windows Phone 8は多くの携帯電話の新機種とともに2012年中にリリースされる予定だ。同イベントでは非常に多くのことが発表されたが、おそらく最も重要なのは、MicrosoftがWindows Phoneと「Windows 8」の間の互換性を強化すると決断したことだろう。

内部の仕組み

 その緊密な関係は、カーネルの共有という形で表れている。開発者ではない人のために説明すると、カーネルはハードウェアとソフトウェアをつなぐ橋のようなものと考えることができる。カーネルは、ハードウェアのさまざまな部分へのアクセスをソフトウェアに提供することやリソースの管理など、いくつかの面倒な作業を処理し、すべてが円滑に機能するようにする。

 米CNETの姉妹サイトである米ZDNet.comでMary Jo Foley氏が説明しているように、われわれが現在知っているところのWindows Phoneは「Windows Embedded Compact」の特定のバージョン上で動作する。それは確かに「Windows」ではあるが、フラグシップOSのバリエーションの1つであり、取り上げられることが比較的少なかった。今回の新バージョンは、マルチコアチップへの対応やネイティブコードのサポートなど、Microsoftがハードウェアとソフトウェアの互換性に関する重大な変更を加えるための基盤となっている。

 ネイティブコードによって、アプリをCとC++の両方のプログラミング言語を使ってデバイス上で動作させることができる。Microsoftは20日のプレゼンテーションにおいて、このことがWindows 8とWindows Phone 8向けにアプリやゲームを開発する上でどれだけ重要な役割を果たすかについて盛んに説明した。

 MicrosoftのWindows Phoneプログラム担当バイスプレジデントであるJoe Belfiore氏は、「これがもたらす非常に大きな影響として、機器の売り上げ急増に貢献するような極めて魅力的なゲームが2012年中に登場する」と述べた。

 同社は20日、3Dゲーム「Marble Maze」を最初にWindowsマシンで実行し、次いで携帯電話上で実行するデモを披露して、その実例を示した。Belfiore氏によると、移行は「信じられないほど少量」の変更をコードに加えるだけで実現できるという。Microsoftは人気の高い物理エンジン「Havok」によるテクノロジデモを矢継ぎ早に披露し、その点を強調した。デモでは、何百個もの箱を投げ回したり、射撃したり、爆破したりする様子がすべてWindows Phoneの画面上に映し出された。

figure1
提供:Josh Miller/CNET

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]