互換性強化を実現するためのマイナス面の1つは、古い携帯電話だとWindows Phone 8向けのネイティブコードで記述されたアプリを実行できないということだ。また、既存のWindows Phoneデバイスは、Windows Phone 8がリリースされても利用することができない。Microsoftは、後者については新しいホーム画面を追加する、7.8と呼ばれるアップデートによって対応する。プラス面としては、同社はWindows Phone 8デバイスを18カ月間サポートすることを約束している。
これが断片化を引き起こすことは間違いない。断片化は、Googleの「Android」プラットフォームを苦境に陥らせ、程度は軽いもののAppleのプラットフォームも悩ませている問題だ。しかし、それはWindows 8との連携強化に加えて、過去と決別し、Windows Phoneを前進させるためのMicrosoftの大きな賭けでもある。言い換えると、MicrosoftはWindows Phoneとライバルの間にある差を迅速に縮めたいと考えており、より長期的な目標としては、同社だけが提供できるユニークなプラットフォーム連携によってライバルを抜き去ることを狙っている。
それでは、これらすべてのことは、開発者がWindows 8向けのゲームやアプリを開発し、それを同時にWindows Phone 8にも提供できることを意味するのだろうか。そうでもないようだ。Microsoftが約束したのは、同社のソフトウェア開発ツールを使って、Windows 8とWindows Phone 8の間、さらには一部の競合プラットフォームとの間でタイトルを容易に提供できるようにするということだ。
この戦略は、Microsoftがライバルとのアプリ数の差を縮め、より多くの顧客を呼び込む助けになるかもしれない。Microsoftは20日、同社のモバイルストアで提供されているアプリが10万本を超えたと述べたが、Appleの65万本、Googleの50万本と比べるとはるかに少ない。
より大局的な見地から言うと、Microsoftは、実績のないWindows Phone向けにプログラミングすることに気乗りしなかった開発者に対して、同プラットフォームを可能な限り魅力的なものにしようとしている。これは何も新しいことでないが、MicrosoftはWindows Phone 8に関しては、今後のための地固めを目的として、いくつかの古いものと決別しようとしている。通常、Windowsという文脈でこのようなことが語られることはない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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