従来は、自社データベースに記録されている利用実績と顧客データをセグメントしてターゲットを作成していたが、その場合過去のデータから仮説を立てる以外にないという問題があった。その点、SiteCatalystであれば自社サイト内の顧客の行動からターゲットを作成できる。
たとえば顧客が条件を指定して空席照会を行ったとすれば、SiteCatalystにはその履歴が詳細に記録されるため、ターゲティングのための情報として活用できるわけだ。これによって、利用者の将来のニーズに基づく戦略立案が可能になったと前田氏は語っている。
ANAでは今後もサイト分析とその結果の活用を進めていく方針だが、実状を反映するためには多くの課題も残されていると前田氏は指摘する。例えば、Webサイトの分析では次のような分野にはまだリーチできておらず、対応を模索しているとのこと。
ソーシャルメディアについては、ANAでもFacebookページやTwitterアカウントを開設し、非AMC会員を含めた顧客とのコミュニケーションや、運行情報の案内などに活用している。またボーイング787導入の際には、FacebookやUSteream、YouTube、Twitterなどと連携して試験飛行や各空港への飛来、整備状況などをリアルタイムに配信し、大きな反響を得た。しかしながら、自社サイト以外でのユーザの動向を把握することができず、サイト分析という点では大きな課題を残す結果になったという。
「デバイスやメディアが拡大していく中で、顧客の行動を全体としてどう分析していくかが今後の課題です。取れるデータは増えていますが、現状では活用する手法が追いついていません。全体を俯瞰的に見て分析できる人材の確保、体制の構築が必要だと考えています」(前田氏)
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