箱入りのソフトウェアの販売で最も成功を収めている企業の1社であるAdobeだが、同社の歴史を飾る新たな1章が始まった。「Creative Cloud」と呼ばれる月額50ドルのサブスクリプションサービスへの拡大だ。
Adobeはこれまで、「Photoshop」「Illustrator」「Premiere Pro」「After Effects」などの「Creative Suite」シリーズ製品に対して永久ライセンスを販売してきた。Creative Cloudを利用すると、ユーザーはこれらのプログラム一式に加え、オンラインサービスやタブレット用アプリの「Touch」コレクションを月額料金で利用できる。
Adobeとしては、顧客が数年ごとにアップグレードを促される必要がなくなることで、そうした顧客をもとに、より安定した収益源を手にする可能性がある。
ブランドとして「Cloud」をうたっているが、ソフトウェアは、ダウンロードされた後は顧客のマシン上でローカルに実際には動作する。したがって、ほとんどの使用法は、既存顧客にとって馴染みのあるものとなっている。
価格はさまざまだ。年間契約のユーザー向けは月額50ドル。月単位の契約者向けは75ドルで、こちらは短期間の業務には都合のよいものだろう。また、「CS3」や「CS4」、「CS5」製品のユーザーには年間契約を結ぶことで月額30ドルというオプションが用意されている。企業顧客向けの別のバージョンでは、Adobeのアカウント所有者ごとではなく、シート単位で価格が設定されており、こちらは年間契約で月額使用料は70ドルとなる。
さらにAdobeは、「Adobe Muse」という新製品の最初のバージョンをリリースした。これは、ユーザーにプログラミングの知識がなくてもウェブサイトを作成できるようにするものだ。同製品は、Creative Cloudの一部として提供されるか、または月額15ドルの別料金で単独で提供される。ただし、永久ライセンスでは利用できず、「CS6 Master Collection」にも含まれない。
Adobeはこのほかに、ウェブデザイン用の別の新たなツールとして「Adobe Edge」の6番目となるプレビュー版をリリースした。EdgeはHTMLアニメーション作成のためのツールである。新たな機能には、チュートリアル、プログラミングコードを表示させるための改良、コンテンツをタブレット用アプリ向けに変換するためにAdobeの「Digital Publishing Suite」にパブリッシュする機能が含まれる。また、フランス語、ドイツ語、日本語、イタリア語、スペイン語にも対応する。
Adobeは米国時間5月7日に、新しいCS6製品を従来の顧客向けにリリースしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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