データを徹底活用するANA、SiteCatalystを活用したウェブ戦略を語る - (page 2)

杉山貴章(オングス)2012年06月15日 18時35分

 本格的なサイト分析を取り入れたのは2001年からだが、その当時のシステムではPV数やUU数などを指標にサーバログを夜間バッチで処理していたため、即時性の無さが問題だったという。

 その後、Webサイトでの取扱いシェアが50%を超え、大量の情報を様々な角度から分析したり、販促やメールなどのコンバージョン効果を把握することが必須になってきたことから、2007年にアドビの「SiteCatalyst」を導入した。

 SiteCatalystが候補になった背景としては、次のような優位点が挙げられた。

  • 大規模サイトでの導入実績
  • ファーストパーティクッキーに対応
  • 運用管理のしやすさ(ID単位の管理やアラート機能など)
  • カスタマイズ変数が多彩
  • データの分類が可能
  • オフィスアプリ連携機能
  • データウェアハウス機能
  • DataFeed機能
  • 他ツールとの連携が可能(Test & Target、SearchCenter、Genesisなど)

SiteCatalystと連携したターゲティングメール配信

 SiteCatalystを使った現状の運用体制としては、50~60人のユーザーによって、日次、週次、月次の単位で訪問者やPV、ページランキング、流入元、新規率、貢献度などといった指標を確認しているという。また、カスタマイズ変数を活用しながら、会員分析やカスタマイズ分析なども行っているとのこと。一例としては、クリックマップに対する画面の最適化や、検索キーワードに対するリスティングへの知見などの分析が挙げられている。

 前田氏からは、SiteCatalystを活用した具体的な事例として、ANAマイレージクラブ(AMC)会員を対象としたダイレクトメール配信の効果測定、およびターゲティングメール配信の事例が紹介された。

 現在、AMC会員向けのダイレクトメール配信は次のような状況になっているという。

  • メール配信可能なAMC会員数:約500万人
  • メール配信本数:月40~50本
    • セグメントによるメールパターン数は80~90パターン
    • 定期メールマガジン:3種類
    • 不定期メール:キャンペーンや運賃の告知、旅行促進、誕生日や季節のご挨拶メールなど
  • 配信形式:HTMLまたはテキスト

 このうち、不定期メールは対象者を事前にターゲティングして配信する場合があるほか、一人当たりの受取メール数を週最大3通にまでに制限しているという。このダイレクトメール配信の効果は、配信成功率、開封率、クリック率、売上を基本指標としてトラッキングしている。また、CGを用いた配信者、非配信者の比較や、クリエイティブ評価などの個別分析も実施しているとの話である。

 それに加えて2009年から開始したのが、SiteCatalystと連携したターゲティングメール配信だ。

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