かつてAppleのタブレット「iPad」向けに雑誌の定期購読サービスを販売することに強く反発していたTime Inc.が、同社の発行する20誌の定期購読サービスをiPad向けに提供することでAppleと合意に達した。
合意に至った契約により、iPadユーザーはTime Inc.が発行する20誌を定期購読できるようになる。これには「SPORTS ILLUSTRATED」「Entertainment Weekly」「PEOPLE」が含まれ、Appleの「App Store」を通じて提供される、とTime Inc.の最高経営責任者(CEO)であるLaura Lang氏はThe New York Times(NYT)の取材に対して述べた。Time Inc.はこれまで、雑誌コンテンツのiPad版を販売するAppleのデジタル購読プランにとって大きな抵抗勢力だった。
Time Inc.は現在に至るまで、同社の雑誌を1号ごとに提供するアプリ版だけをAppleのApp Storeを通じて販売していた。両社は1年前、Time Inc.が追加料金なしで印刷版の定期購読者にiPadなどのタブレット向けのバージョンを提供することで合意に達した。
2012年1月にTime Inc.のCEOに就任したLang氏はNYTに対し、Appleとの契約成立を最優先にしたと述べた。
Lang氏は次のように説明している。「PEOPLEや『TIME』のような雑誌またはブランドにとって、タブレットはますます重要な部分を占める体験になるだろう。われわれが目指すのは、消費者が読みたいと思う場所でコンテンツを提供することだ」
この取り決めの金銭的条件は明かされなかった。
Appleを通じてTime Inc.の定期購読サービスを提供することを阻んできた大きな障害の1つは、Appleがアプリケーション内でApp Storeの決済処理を行っていることだ。これにより同社は売り上げの30%を徴収している。この30%の取り分に加えて、定期購読サービスやユーザーのデータに関するAppleの権限が大きいことに、出版社側は不満を抱いていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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