Appleは、アプリ内定期購読(サブスクリプション)に関する同社のポリシーをこれまでとは正反対のものに変更するという驚くべき動きに出た。
この変更を最初に報じたMacRumorsによると、Appleの新しい規則には「アプリケーションは、承認済みのコンテンツ(具体的には、雑誌、新聞、書籍、オーディオ、音楽、動画)を購入するためのボタンや外部リンクがアプリケーション内に存在しない場合に限り、アプリケーションの外部で定期購読または購入された承認済みコンテンツを読み取りまたは再生することができる」と記されているという。「Appleは、アプリケーションの外部で定期購読または購入された承認済みコンテンツの収益については、その一部を徴収することはしない」(Appleの新しい規則)
今回の動きは、アプリ内定期購読に関するこれまでのAppleの対応とは、まったく逆のものとなっている。2011年2月にアプリ内定期購読を発表した際、同社は、外部に定期購読手段があるコンテンツプロバイダーらに対し、その「iOS」版アプリケーションにも同等(またはそれを上回る)定期購読機能を提供することを要求していた。Appleは当時、アプリケーション内で得られた定期購読から発生した収益について、その30%を徴収すると述べていた。
Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は2月の声明で、「われわれの原理はシンプルだ」と記していた。「Appleがアプリケーションに加えた新規購読者については、Appleが収益の30%を徴収する。パブリッシャーがアプリケーションに加えた既存または新規購読者については、収益は100%パブリッシャーのものでAppleの取り分はない」(Jobs氏)
Jobs氏の声明には続いて、「1つわれわれが望むのは、パブリッシャーがアプリケーション以外で購読キャンペーンを実施する場合は、それと同じ(またはそれよりもお得な)キャンペーンをアプリケーション内においても提供してほしいということである。そうすれば、顧客はアプリケーションをワンクリックするだけで定期購読することができる」と記されていた。
Appleが定期購読プロバイダーらに対して寛容になるように見えるが、同社は自社の制御をすべて放棄したというわけではない。同社は、定期購読規則に関する今回の変更により、アプリケーションプロバイダーが、「電子書籍を購入するためのウェブサイトに移動するための『購入』ボタンのような、購入または定期購読のための外部のメカニズムへのリンクをアプリケーション内で使用すること」を禁止することも強調した。このような「メカニズム」を含むアプリケーションはすべて却下されると同社は述べている。
Appleからのコメントを直ちに得ることはできなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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