われわれが崇拝すべき50年前の人物は誰だろうか?
なぜこのような質問を投げかけたのかと言うと、「なぜあの商品は急に売れ出したのか--口コミ感染の法則(原題:The Tipping Point)」の著者Malcom Gladwell氏が、テクノロジー業界の偉大な著名人のうち2062年時点で誰が崇拝されているかについて、固く率直な考えを示したからだ。
Business Insiderによると、Gladwell氏はトロント公共図書館で講演し、特にMicrosoftのBill Gates氏と比べて、AppleのSteve Jobs氏は忘れられてしまうだろうと力強く主張した。
同氏は、「今から50年後、(Gates氏は)慈善活動などで人々の記憶に残るが、Microsoftのことは誰も覚えていないだろう」と語った。
これは興味深い見方だ。誰がElectronic Data Systemsのことを覚えているだろうか?Ross Perot氏が1962年に創業した企業なのだが。
もっとも、Gladwell氏は奇抜な考えを示して議論を引き起こすことを楽しんでいる。Gates氏への賞賛が止まらないからといって驚くほどのことではない。
同氏はさらに「人々はこの時代の偉大な企業家のうち、Steve Jobs氏のことは忘れ去るだろう。Steve Jobs氏が誰だって?第三世界のあちこちにGates像が立つことになるだろう」と語った。
2062年の時点でまだ地球が存在するかどうかも分からない。しかしGladwell氏は、人類は人の善意に敬意を払い、強欲で道徳心のない企業家のことは忘れるだろうという考えを示した。
Gladwell氏はわれわれが崇拝する企業家のことを「新たな預言者」と表現するものの、利益を追求するあまり人間性に欠けると考えている。
しかし、Gates氏には何かが起こった。
「Gates氏は最も無慈悲な資本主義者だ。ある朝目覚めて『もう十分だ』と言った。そして最高経営者(CEO)を辞任し、お金を手放したのだ」(Gladwell氏)
これとは対照的に、Steve Jobs氏は偉大な創造者などではなくつまらない人間だとする持論を展開した。「彼のアイデアはいずれも他人から得たものだ」「彼は好んで他人からアイデアを盗んでいた」というのがGladwell氏の見方だ。
さらにGladwell氏はJobs氏が自伝の表紙を自らデザインしたことを挙げ、Jobs氏を「恥知らず」、また「ほとんど例を見ないほどのセルフプロモーター」だと毒舌を展開した。
それでは太陽にお辞儀をして、50年後の世界がどうなっているかを想像してみよう。唯一の確かなことは、もしその時に地球がまだ存続していたら、そこに住む生物はわれわれの時代のことを笑うに違いないということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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