サンフランシスコ発--Appleは米国時間6月11日、当地開催の同社の技術者向け年次会議Worldwide Developers Conference(WWDC)で「Safari」の新版を披露した。同ブラウザは、ビジュアル面で競合ブラウザをいくらか参考にしているものの、ブラウジングに対するユニークな解釈は何とか維持している。
Googleの「Google Chrome」と同様、「Safari 6」も検索バーを廃止し、その代わりに検索とURLロケーションを統合したバーを採用している。Chrome、そして「Firefox」のオプションと同じく、この検索とロケーション用のバーによって、縮小し続けるブラウザ画面のかなりの面積を自由に使えるようになる。基本的に、ユーザーが拡張アイコンを配置できるスペースが拡大する。
Appleの「Mac」ソフトウェアエンジニアリング部門の新トップであるCraig Federighi氏が11日午前、WWDCの基調講演で述べたところによると、Safari 6はあらゆるOSの中で最速のJavaScriptエンジンを搭載しているという。ただし、同氏は比較ベンチマークは提示しなかった。
Safari 6は「iCloud」経由でタブを同期することもできるので、ほかのiCloud対応デバイスから簡単にタブを開くことができる。タブ同期機能は、FirefoxやChrome、「Opera」では以前より提供されていた。ただし、それらはすべて独自のプロプライエタリな同期システムを通して実現されている。
それらのブラウザと異なり、Safari 6は新しいジェスチャーによって、Macの「TrackPad」でタブを「フリップ」できる機能も提供する。この「Tab View」機能では、「Cover Flow」に似たスタイルで、開いたタブをスクロールしていくことが可能だ。
TrackPadタブジェスチャー機能が「Mountain Lion」だけで動作するのか、それとも以前のバージョンの「OS X」でも動作するのかは、現時点では不明だ。これは10個程度のタブを操作する非常に効果的な方法かもしれないが、30~40個のタブをどれほど上手く処理できるかは、今のところはっきりしない。
Federighi氏はWWDCの聴衆に対して、この新しいスクローリングアーキテクチャは「最高に素晴らしい」と述べた。
Mac向けSafari 6は7月にMountain Lionとともに出荷される予定だ。Windows向けのアップデートが公開される時期や、Mountain Lion以前のバージョンのOS Xでどの機能が動作するのかについては、Appleはまだコメントしていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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