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Facebook株の下落とテクノロジ業界への影響--IPO市場における今後 - (page 2)

Paul Sloan (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年05月30日 07時30分
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 現在計画されているほかのテクノロジ企業のIPOにも、Facebookの反動が既に表れている。小規模企業ではあるが利益を上げているPCゲーム向け部品メーカーのCorsairは5月24日、「弱気な市況」を理由にIPOを延期した。一部のアナリストはこれについて、FacebookのIPOの反動がCorsairの株式上場に悪影響を及ぼすのではないかという懸念だと解釈した(Corsairの広報担当は筆者に対し、「取締役会は、弱気な株式市況を理由に延期を決めた。弱気な株式市場の原因についてのコメントは金融アナリストに任せることにする」と述べた)。Facebookの影響が確かに感じ取れる。

 賢明な人々の多くが、シリコンバレーはしばらく前から初期段階のバブル状態にあると主張してきた(一例として、Facebook創設時にプレジデントを務めたSean Parker氏に筆者がインタビューしたときの記事を参照してほしい)。その主な理由は、大勢のエンジェル投資家が多数の少額投資を行い、合算すると相当な金額に達していたからだ。

 ただし最近、バブルの話題は、より大規模な非公開企業にまで広がっており、そうした企業の価値は非常に高く評価されている。例を挙げると、ソーシャル分野の新たな寵児であるPinterest(先ごろ15億ドルと評価された)やInstagram(5億ドルと評価され、1週間後にその2倍の値段でFacebookに買収された)、FacebookのIPO前に40億ドルの評価で2億2000万ドルを調達していると報じられたSpotifyなどだ。Twitterについては言及するまでもないだろう。

 そうした楽観的な考え方によって、また、JOBS Actが先ごろ可決され、比較的小規模な新興企業による株式公開が容易になったことで、IPO市場(LinkedInやYelp、Groupon、Zyngaなど)は活力を取り戻しているように見えた。最近実施されたいくつかのIPO、特にZyngaとGrouponのIPOが首尾よくいかなかったにもかかわらず、Facebookはそうはならないと考えられた。大物の登場だった。巨大な顧客基盤を持ち、誰もが名前を知る存在であるFacebookにより、IPOが活気づくはずだった。

 Facebookの影響によってIPO市場がいつまで閉ざされるのかは、推測するしかない。勢いのある非公開企業の中で、近いうちに株式上場を予定している企業はない。そして、1990年代のブームが再来して、未成熟な企業が株式を上場するようになる、ということも決してないだろう。

 フロリダ大学の財政学教授で、IPOの専門家でもあるJay Ritter氏は、「一般の投資家は初期段階の企業への投資で何度も痛い目に遭ってきた。複数企業が株式を上場した後でも、バブル状態が起こっているわけではない」と述べた。言い換えると、Facebook以降、投資家は強固なビジネスモデルを見たいと思っていることが判明している。

 ただし、それよりも先に、ベンチャーキャピタル(VC)が非公開企業の価値を評価する前、例えば5億ドル以上と評価する場合には、より綿密な調査を行うようになることは間違いない。初期段階の企業の場合でも、一部のVCは、Facebookの余波によって入札競争が緩和されることを期待している。

 シリコンバレーで最も活発なシード段階の投資企業SoftTech VCの創設者兼マネージングパートナーであるJeff Clavier氏は、「近頃はあまりにも多くの資金が初期段階の企業につぎ込まれており、愚かとしか言いようのない結果を招いている。そうした現実を認識できていればよいのだが」と述べた。

 いくつかの点で、初期段階の企業をめぐる興奮もFacebookと関連づけられるだろう。これから数カ月のうちに、Facebookの株価が好転すれば(せめて急落するのではなく上昇しはじめれば)、多くのFacebook長者が株式を売却して現金を手にするだろう。そして、思い切って自分の新興企業を立ち上げる者が出るかもしれない。しかし、若年富裕層に人気のある別のキャリアの道を選択する者もいるだろう。つまり、専業のエンジェル投資家になって、次のFacebookになろうとしている企業により多くのお金をつぎ込むのだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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