Facebookへの陶酔は、長くは続かなかった。
Facebookの株式をめぐる熱狂は、初日の取引が始まってから数分間で終わったようだ。それは、45ドルという最高額をつけたところで最高潮に達し、多くの人々はこの高値を実際の需要の表れというより、思わぬ幸運だと考えた。
その後、現実がやってきた。Facebook株は、米国時間5月21日の取引では早い段階で急落し、12%以上安い33.56ドルにまで下落した。18日にFacebook株を購入した人にとっては、息をのむような現実である。Facebook株は18日、公開価格の38ドルをわずかに上回る終値をつけていた(21日の終値は34.03ドルで、11%の下落となった)。
では、非常に大きく取りざたされたFacebook株が完全に失敗したのはなぜだろうか。NASDAQのシステム障害による初期の発注の遅れ、直前の公開価格引き上げ、さらには機関投資家からの需要の冷え込みなど、理由は数多くある。しかし最も重要なのは、Facebookには1000億ドルほどの価値はないのではないかという潜在的な不安と、そうした認識の高まりである。
BTIG ResearchのアナリストのRichard Greenfield氏は、「2012年の売り上げと、(利払い前、税引き前、減価償却前、その他償却前利益の)成長の減速から判断して、Facebookの現在の価値は魅力のあるものではないと考えている」と語る。
Facebookが1000億ドルの価値に見合う日は来ないというわけではないが、現時点ではそれだけの価値はない。同社は依然として、その巨大なユーザーベースを十分に活用して売り上げを得る方法を把握できておらず、同社の中核事業であるディスプレイ広告以外にも、いまだにさまざまなビジネスモデルをあれこれと試している。
2011年の数字を見てみよう。38ドルで考えると、Facebookの株価収益率(PER)はGoogleの2011年のPERと比べて4倍以上だった。Googleが計上している売上高や利益はFacebookの10倍であるにも関わらずだ。
「Facebookが発展段階にあること、およびソーシャル広告とモバイル広告の両方の現状を考えると、同社を評価することは科学的というよりも感覚的なものだ」(Greenfield氏)
Business Insiderは、2013年の予想利益を紹介しながら、この問題を巧みに説明している。Appleは2013年、予測利益の約10倍の価値での取引となり、GoogleのPERは12倍だ。BTIG Researchの予想と、Business Insider独自の予想に基づくと、Facebookの場合は利益の40倍から100倍になる。
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