その一方で、iPadは操作が簡単なため、これまでコンピュータを使うことに違和感を感じていた高齢者も、iPadを使って簡単なことをできるようになった。このシナリオで重要なのは、使い始めるのにマニュアルも説明も必要としない、iPadのマルチタッチインターフェースだ。
Appleが2010年3月にiPadを発売したとき、わたしが見た信頼できる情報源からの予測でもっとも過激なものは、iPadは2010年中に500万台売れるというものだった。2010年の終わりまでにiPadが1500万台売れると、テクノロジー業界は衝撃を受けた。2011年には、Appleは4000万台を超えるiPadを販売した。2012年には、iPadの販売台数は6000万台を超える可能性が高い。
Gartnerによれば、PC市場では、2011年に全体として(iPadを計算に入れずに)3億6000万台以上売れており、2012年には4億台に近づくとされていることに注意して欲しい。つまり、iPadがすぐにPCを駆逐してしまうというような話ではない。しかし、これがまだ大きな変化の始まりに過ぎないことは指摘しておく必要があるだろう。
わたしのように、iPadの使い道があまりない人もまだかなりいるが、われわれのようなタイプが特異な少数派であることは次第に明らかになりつつある。iPadの使いやすさ、形状、アプリのエコシステム、バッテリー寿命は、多くの違うタイプのユーザー、そして複雑でないことが重んじられる多くのシナリオで、iPadを非常に使い勝手のいいコンピュータにしている。
今後2年間で注目すべきは、Intelの推進するウルトラブックとタブレットの組み合わせ、Microsoftの「Windows 8」、ASUSのようなタブレットメーカーの「Transformer」シリーズなどで打ち出されている、ハイブリッド型のアプローチが、タブレットとPCのよいところを組み合わせようとするデバイスで、iPadに対抗できるかという点だ。
わたしは疑わしいと思っている。完全なPCの機能をタブレットに持ち込めば、使いやすさ、バッテリー寿命の長さ、瞬間起動などの、iPadを際立たせてきたもっとも重要な特徴を犠牲にすることになるからだ。それに加え、それらのどれも、iPadのようなタブレットに特化した幅広いアプリ群は持っていない。わたしは、タブレットは今後もタブレットであり続け、多くのシナリオで従来のコンピュータの代わりとしてマス市場を獲得し続ける可能性が高いと考えている。
その一方で、最近Motrolaの「Webtop」や「Ubuntu for Android」で示されたPCとスマートフォンのハイブリッドは、今後魅力を増し、ハイテク好きや企業とは相性がいいものになるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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