Facebookの新規株式公開(IPO)に関するうわさ話に加わったことがない人も、すぐにその機会を得ることだろう。
ソーシャルネットワーキングの巨大企業であるFacebookは米国時間5月18日、史上最大規模の1つに数えられるであろうIPOによって、株式を公開する予定だ。この出来事の特色となっているのは、ウォール街の金融専門家とシリコンバレーの技術者、そして、両者の間にいるFacebookの全ユーザーが交差する珍しい機会であるということだ。誰にでもアクセスできるというFacebookの性質を考えると、ありとあらゆる人が今回のIPOについて何らかの意見を持っていると言っていいだろう。
Facebookに関する最新のニュースや推測をまだ把握できていない人もいるかもしれない。この記事はそういう人たちのためにある。ここから先は、Facebookのさまざまな動向を詳しく説明するガイドだ。これを読めば、このIPOについてタイムラインに何かを投稿しなければならなくなっても、時宜にかなった賢明な意見だという印象を与えることができるだろう。
--しばらくの間、さまざまなニュースや情報から遠ざかっていたのだが、Facebookにいったい何が起きているのか。
Facebookはこれまで数年にわたり、非公開企業として外部から干渉を受けることなくソーシャルネットワークに懸命に取り組み、ユーザーベースを拡大させてきた。そしてついに企業として成長し、より大規模な公開市場で資金を調達することになった。
Facebookは当初、IPO価格を1株当たり28~35ドルに設定し、同社の価値を最大960億ドルと評価した。しかし、同社は米国時間5月15日、1株あたり34〜38ドルの間に引き上げるため、申請書類を訂正した。Renaissance Capitalによると、この規模は、インターネット企業のIPOとしては史上最大で、全IPOの中でも最大規模であるという。
IPO価格の設定は常に慎重を要する作業だ。企業はIPO価格を可能な限り高く設定したいと考える。そうすれば、自身が使える現金を最も多く得ることができるからだ。
対照的に、銀行家にとっては価格が低くても問題ではない。新しい投資家を呼び寄せることができるし、企業が株式を公開した後に需要が発生し、株価が急上昇するという最高のケースも発生し得るからだ(このように「急騰」するIPOは、さらなる株式公開、そしてそうした取引をまとめ上げる投資銀行家のサービスに対する需要をけん引するのに一役買う)。
株式公開後のFacebookは、NASDAQで「FB」という略号のもとで取引されるようになる。
--Facebookが今、株式公開に踏み切ったのはなぜか。
実のところ、Facebookは株式を公開する必要に迫られたのだ。株式を公開するつもりのなかったFacebookは数年前、このままいくと株主数が500人を超えると悟ったとき、気持ちを変えた。株主が500人に達した企業は、詳細な財務情報を公にする義務が自動的に発生することになっていたからだ。
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