われわれのような一般の人は、Facebookが実際に株式を公開するまで閉め出されている。その後はもはや、妥当な価格で株式を購入することなどできなくなっている場合がほとんどだ。
したがって、創設者兼最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏が、スクルージ・マクダックのように巨大な金庫を建設して、IPOで得た莫大な資金を収めることができるようになるころには、あなたは過大評価と見なされた株式を売却できず、持て余す羽目になるかもしれない。
Facebookの株式の長期的な見通しは、それほど明白ではない。先にIPOを実施したGoogleを含むテクノロジ企業のように、Facebookの株式が急騰する可能性も残されている。とはいえ、現在設定されている株式の価格帯は既に高すぎると考える者もいる。
--株価が既に高すぎるなどということが、なぜ起こるのか。Facebookの株式はまだ公開前ではないか。
Facebookの価値が過大評価されているという批判は特に新しいものではないが、Barron’sは先ごろ、いくつかの新しいデータを提示した(購読登録者のみ閲覧可能)。
1株の株価が35ドルの場合、Facebookは、同社の2012年の見通しである1株当たり利益50セントの70倍、予想売上高50億ドルの18倍の評価を得ていることになる。参考までに、Googleの1株の価格は610ドルだが、同社の評価額は2012年の予測利益の15倍未満、売上高の6倍未満である。
そうした「倍率」は、投資家が企業の価値を判断する主要な方法の1つである。株価は発行済み株式の総数によって変動するからだ。Facebookの35ドルという株価がGoogleの610ドルという株価に比べて割安に見えるとしても、Facebookの財務面での潜在能力と照らし合わせて考えれば、過大評価されている可能性も捨てきれない。
もちろん、株価が高かったとしても、熱狂的なファンが怖じ気づくことはないだろう。例えば、Appleの共同創設者で元社員であったSteve Wozniak氏は、株式を購入することを既に明言している。
--需要に関しては、内容の矛盾するさまざまな報道がなされている。FacebookのIPOに募集枠以上の申し込みがあるのに、同時に需要不足に悩まされているなどということがあり得るのだろうか。
IPOの状況に関する、息をつく暇もないほどの報道の数々が、騒ぎをさらに煽っている。Bloombergは先週、FacebookのIPOに対する株主からの需要は、予想を下回っていると報じた。その1時間後にはReutersが、Facebookの株式に募集枠以上の申し込みがあったという内容の記事を掲載した。この記事が意味するのは、株式に対する需要が、売り出される株式の数を上回っているということだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」