Bloombergの報道によれば、Facebookの共同創設者Eduardo Saverin氏が、同社の新規株式公開(IPO)に先立って米国籍を放棄したという。これにより、同氏はキャピタルゲイン課税を免れる可能性が高い。
Saverin氏は、Mark Zuckerberg氏が2004年にハーバード大学でFacebookを立ち上げるのを支援した数少ない人物の1人で、もう何年も同社には関与していない。だが、Saverin氏は今でもFacebookの株式の4%を保有していると見られ、その時価総額は38億ドル程度だとBloombergは見積もっている。
「Eduardoはシンガポールに住み続ける計画を立てていることから、シンガポールの住民になるほうが現実的だと最近になって判断した」と、Saverin氏の広報担当者Tom Goodman氏はBloombergの取材に対して電子メールで回答している。
米国籍の放棄により、Saverin氏はFacebook株の所有に関して米国への納税義務を大方回避できる可能性があるが、全面的に課税を免れるわけではない。シンガポールにはキャピタルゲイン課税がないが、シンガポール国内で得た収入と国外から得た一部の収入に対しては税金が課される。
ミシガン大学で国際税制研究の責任者を務めるReuven Avi-Yonah教授によれば、米国籍を放棄した人にも、所有する株式を売ったかどうかにかかわらず、その株式からのキャピタルゲインに対して一種の出口税が課されるという。ただし、Facebookのような非公開企業の株式時価総額の算出は、言うなれば、解釈の余地を大いに含めることができる作業だ。
Avi-Yonah教授はBloombergに対し、いったん公開企業になると「その価値についてあれこれ言うことができなくなる」ため、税金対策という観点からすると、IPO前の国籍放棄は「非常に優れたアイデア」だと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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