Motorola Mobilityが、ドイツでのMicrosoftとの特許訴訟でまた勝利を収めた。
マンハイム地方裁判所のJudge Holger裁判官は現地時間5月2日、Microsoftの「Windows 7」「Xbox 360」「Internet Explorer」「Windows Media Player」について、「適応動き補償」と「デジタルビデオデータの適応圧縮」に関する特許を侵害しているとして、これら4製品に対する差し止め命令をMotorolaに認めた。
この件を最初に報じたFOSS PatentsのFlorian Mueller氏によると、この差し止め命令はさらにMotorolaに対し、Microsoft製品の販売を停止するとともに、現在ドイツの店舗にあるWindows 7とXbox 360についても回収と破棄を許可しているという。ただし、販売停止措置を実際に行おうとした場合、Motorola側はいくつかのハードルに直面すると、Mueller氏は指摘している。
第一に、Microsoftが上告すると(同社は上告の意向を示している)、上級裁判所で販売停止の決定が覆された場合に備え、Microsoftが停止期間中に失った売り上げを保証する担保として「多額のユーロ」をMotorolaが供託することが、差し止めの実施に必要となる。さらにドイツの上級裁判所が、自らが最終的な決定を出せるようになるまで、販売停止措置に待ったをかける可能性もある。
また、MicrosoftとMotorolaは、米国でも同様の特許訴訟を争っており、これもさらなる障害になるかもしれないと、Mueller氏は言う。
この特許訴訟を過去数年にわたり追い続けているMueller氏は、ブログで次のように書いている。「Motorolaにとっては、おそらくこの3つ目の主要な障害が最も厳しいものと言えるだろう。ワシントン州西地区米連邦地方裁判所のJames L. Robart判事は、自らが担当するFRANDライセンス訴訟を無視することを認めないはずだ。Motorolaがドイツでこの訴訟を起こす8カ月前の2010年11月に、Microsoftはワシントン州西地区の連邦地裁に訴えを起こしている。この訴訟の目的は、Motorola自身が順守を約束したライセンシングにおけるFRAND(公平、合理的、かつ非差別的)条件について、これを全世界で実施させることだ。Microsoftがこの訴訟で勝ち続けると、Motorolaはドイツの判決を実施することができなくなる」
Mueller氏の論点には説得力があるように思われる。米連邦地裁のRobart判事は4月、同判事の担当する訴訟手続きが完了するまで、MotorolaがドイツでMicrosoft製品を販売停止にすることはできないとの判断を下した。
MicrosoftとMotorolaをめぐるすべての訴訟の中心にあるのは、FRAND条件に基づくライセンス供与という問題だ。Microsoftは、Motorolaが業界標準となっている同社のH.264関連特許を公正な条件の下で提供していないと主張している。一方のMotorolaは、同社の特許をMicrosoftが侵害していると主張し、これを是正するよう求めている。だが現在のところ、一連の訴訟ではどちらかが決定的に優勢な状況になっているわけではない。
今後、MicrosoftとMotorolaは5月7日に米国の裁判所で相まみえることになっている。どちらも引き下がる姿勢を見せていないことを考えると、今後、数週間か数カ月にわたって裁判が続くことが予想される。
Microsoftの広報担当者は2日、電子メールでの声明で「これは長い道のりの一歩であり、当社としては、ウェブ上で動画を楽しむ消費者の利益のために、Motorolaが最終的には公正かつ適切な条件で同社の標準必須特許を提供するという約束を順守するものと確信している」と述べた。「Motorolaは本日の決定に基づいて行動を起こすことを禁じられており、当社がこの判決について控訴し、Motorolaが約束を破っているという根本的な問題を追及する間も、ドイツにおける当社の事業はこれまで通り継続される」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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