個人の考え方が試されるときだ。
タブレットの購入をめぐって、米国のコンピュータ好きな人々の集団意識がこれほど揺さぶられたことは今までなかった。そして、Appleはその判断を簡単なものにしてはくれない。同社の「新しい」タブレットは、古いバージョンにかなり似ている。違うのは重くなったことくらいだ。Appleはわれわれをもてあそんでいるかのようだ。
しかし、心配しなくてもいい。論理的な考え方と、倹約家の知恵をしっかりと組み合わせて使いながら、恵まれた世界におけるこの身動きが取れなくなるようなジレンマを考えてみよう。
タブレットを一度も所有したことがなく、初めての試みとして新しい「iPad」を買おうと考えている人は、よく考えたほうがいい。必要とする以上のタブレットを買うことになるかもしれないからだ。
新しいiPadでアップデートされた機能の多くは、初めてiPadを使う人には価値が分かりにくい。筆者が「iPad 2」を見せながら、これが新しいiPadだと言っても、そのデバイスには筆者がうそをついていることを示すものはほとんどない。比較の基準となるものがない状況では、iPad 2のスクリーンやグラフィック性能は本質的に素晴らしいものだ。
こう言うと偉そうに聞こえるのは分かっているが、新しいiPadの良さを最もよく理解できるのは、以前のモデルからアップグレードしようというユーザーだろう。つまりそれは、iPadの「マジック」に対する耐性ができてしまっていて、さらに強力なものを必要としている、われわれのような不幸なテクノロジ中毒者のためのものだ。
しかし、それでもiPadを買う気になっているなら、iPad 2から始めるといい。iPad 2は、米国では399ドル(3Gモデルは529ドル)という価格で、概して新しいiPadと同じ機能を搭載している。違うのは、スペックがわずかに劣ることくらいだ。iPad 2は、(理論上は)同じソフトウェアをすべて動かすことができ、厳密には新しいiPadよりも軽くて薄い。そして、いつか新しいiPadに買い換えたくなったときには、iPad 2の買い取り価格は、あらゆるタブレットのなかでも最も高いものの1つだと分かるだろう。
さらにいい考えもある。もし、最初のタブレットをiPadにすると完全に決めていないなら、競合ブランドのタブレットを買えばかなりの節約ができる。かつてのタブレット市場は、iPadとそれ以外のすべてに分かれていた(そして、iPad以外はすべて出来が悪かった)。しかし現在では、高性能でありながら価格が手ごろな、強力な競合製品がある。そして、驚くほどの性能を持つiPadの代替製品が、199ドルという価格で販売されている。
つまり、電子メールやウェブブラウジング、一般的なゲームなどに使えるタブレットを探している場合、Appleのロゴがなくてもいいなら、近ごろは199ドルでいろいろなものが買える。友人に自慢する権利は手に入らないだろうが、手始めとしては十分だ。
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