FOSS PatentsのFlorian Mueller氏によると、ミュンヘン第1地方裁判所のPeter Guntz判事はドイツで現地時間3月1日、Appleの保有する写真ギャラリー関連特許をMotorolaが侵害しているとの判決を下したという。Mueller氏は同公判を傍聴していた。今回の判決によりAppleは、同特許を侵害しているMotorola製品すべての販売を差し止める機会を得る。これらの製品には「Android」ベースのスマートフォン2機種と「XOOM」タブレットなどが含まれているが、Mueller氏は、今回の訴訟でどのスマートフォン2機種が対象になったのかについては言及しなかった。
Appleは差し止めの実施を強制されるわけではない。しかし、Mueller氏によると、Appleが差し止めを実施した場合、Motorolaは所有するすべての特許侵害製品の処分を余儀なくされるという。
このことは、昨今のドイツでの判決における共通のテーマになっている。ドイツの裁判所は2月、MotorolaがAppleのスライド式ロック解除特許を侵害しているとの判決を下した。それにより、Motorola製品の販売が差し止められる可能性があった。しかし、Motorolaは即座に変更を加え、同社製品を店舗で販売し続けられるようにした。
Motorolaの広報担当は当時、米CNETに対して、「ドイツのミュンヘンでAppleが提起した特許訴訟における今回の判決は、ドイツで販売されている一部Motorola製デバイスの携帯電話ロック解除に関連するソフトウェア機能についてである。Motorolaは、この機能に代わる新たな設計を実装したので、現在の製品供給や将来の販売に影響はないと見ている」と話した。
Motorolaは今回、特許侵害の判決が下されたのは写真ギャラリーの「ズームイン」機能が原因だと述べている。Motorolaの製品がAppleの特許を侵害しないようにするため、その機能は既に修正済みだ。
Motorolaの広報担当は米CNETに対し、電子メールで送信された声明の中で、「Appleが提起した特許訴訟についてドイツのミュンヘンで今回下された判決は、モバイルデバイスで『ズームイン』モードを使って写真を閲覧するときの一部機能実行に関連するソフトウェア機能についてである。裁判所が、同機能を『ズームアウト』モードで実行する場合は当該特許の侵害には当たらないとの判決を下したことを、われわれは指摘しておきたい」と述べた。
「われわれは自社製品において、ユーザー体験を妨げない新しい写真閲覧方法を既に実装済みなので、製品供給や将来の販売に影響はないと見ている」とMotorolaの広報担当は続けた。
Appleは今回の判決について、コメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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