欧州連合(EU)の規制機関である欧州委員会(EC)は現地時間2月13日、GoogleによるMotorola Mobility買収を無条件で承認した。買収金額は約125億ドルになる可能性がある。
それとともにECは、同買収がEUの独占禁止規定に従っていることを確認するため、Googleやその競合企業らによる各種特許の使用方法を監視するつもりだとも述べた。
ECで競争政策担当副委員長を務めるJoaquín Almunia氏は声明で、「GoogleによるMotorola Mobility買収を承認した。慎重な調査の結果、この買収自体は競争に関する問題を引き起こすものではないと判断したためである」と述べた。「当然ながらECは、引き続き同業界におけるすべての企業の活動、特にますます戦略的になりつつある特許の使用方法を注意深く監視するつもりである」(Almunia氏)
Googleは同社のブログ投稿で、「ECが13日、われわれが2011月8月に発表したMotorola Mobilityに対する買収提案を承認したことをうれしく思う。これは、承認手続きにおける重要なマイルストーンであり、これによって買収完了へと前進した。われわれは現在、この買収を完了する前に必要となる他のいくつかの管轄における裁定を待っている状態である」と述べた。
続けてGoogleは、Motorola買収の目的は「『Android』をさらに推進すること」だと述べた。しかし、GoogleがMotorolaを買収する主な目的は、同社の取得済み特許1万7000件と出願中の特許7500件である。EUが同買収の調査で検討したのは、Googleがこれらの特許を保有することによって、競争にどのような影響が生じるかであった。
Motorolaの特許によってGoogleは、Appleなどの企業らによる訴訟をかわすことができるようになる可能性がある。Appleは、同社の特許をGoogleのパートナー企業らがAndroid OSによって侵害していると主張している。Googleは、同社のパートナー企業を支持するつもりだと述べている。
また、これまでにスマートフォンやタブレットのハードウェアそのものは製造していないGoogleにとっては、Motorolaによって製造事業へと参入するチャンスでもある。しかし、ECのAlmunia氏は声明で、GoogleがAndroidにおいて、競合企業に対する同ソフトウェアのオープン性を保つビジネスモデルを採用していることから、この買収を承認したと述べた。そしてAlmunia氏は、このモデルが今後も継続されることを期待している。同氏は、Googleが同モデルを継続するように監視するつもりだとも述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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