Microsoftは、強力なMetroのタッチインターフェースの強みを大いに利用して、タブレット業界に何とか進出できることに賭けている。Microsoftにとって、これよりも重要なことはほとんどない。PCの売り上げは鈍化している。そしてタブレット、特にAppleのiPadは非常に大きな成長を記録しており、以前はPCの領域だったタスクも処理するようになっている。Microsoftがタブレット業界で存在感を示すためには、Metroの成功が必要だ。
GartnerのGartenberg氏は、「問題は、Metroがタブレットデバイス上でどれだけうまく機能するかだ」と述べた。その答えはまだ不明だ。
Metroが広範に展開されるにしたがって、別の課題も浮上する。MicrosoftがMetro全体に浸透させた分かりやすいデザイン原則が、Metro陣営に後から加わった人々によって乱されてしまうリスクだ。社内では、たとえ開発者がMetroの理念を完全には理解していないとしても、さまざまな製品を前に進めるためにMetroを支持しなければならないというプレッシャーがあるかもしれない。結局のところ、Ballmer氏は、Microsoftの次を担うものとして、Metroを位置づけている。
それと同時に、好むと好まざるとにかかわらず、外部の開発者はMetroに独自の解釈を持ち込むだろう。Metroアプリは審査プロセスを経ることになるが、Microsoftには、開発者の活動を制限することについて、過度に厳格になることを避けたい動機がある。その理由は、同プラットフォームがAppleやGoogleの競合製品に比べ、大きく遅れていることにある。
Microsoftは、開発者が自分のアプリケーションに合うようにMetroを解釈することを認めているとはいえ、Metroのデザイン原則についての考え方を可能な限り明確に示そうと懸命に取り組んでいる。Metroのデザイン原則は融通の利かないものではない。しかし、MicrosoftはMetroではないというものについて、確固たる考えを持っている。「Windows」と「Windows Live」、および「Internet Explorer」のユーザー体験担当ディレクターであるSam Moreau氏はMetroについて、大きな活字が書かれた長方形の集まりではない、と述べた。
「われわれはMetroを理念であると考えている。自分たちは今、何かのスタート地点に立っている。われわれは、そうとらえている」(Moreau氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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