ラスベガス発--Microsoftは米国時間1月9日、Consumer Electronics Show(CES)で最後に強烈な印象を残すチャンスがあったにもかかわらず、1~2周のウィニングランを選択した。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、同社にとって最後となるCESでの基調講演でさまざまなことを声を張り上げて語ったが、根幹的なことは何も明かさなかった。その代わりに、同社は「Windows Phone」から「Windows 8」まで、既に発表されている今後のプロジェクトの数々を紹介する道を選択した。
ただし、同社は「Xbox 360」の周辺機器である「Kinect」の「Windows」版を2月1日に発表することを明かした。また、Ballmer氏は、Kinectのこれまでの販売台数が1800万台に達したという貴重な情報も開示した。
CESの基調講演は企業が新製品を発表するのに最適な場を提供するが、実際のところ、Microsoftはこれまで同イベントで重大な発表を行うことを避けてきた。同社が2012年にその傾向を変えると予測する人は少なかった。CESから撤退し、15年続けた基調講演を終えるという同社の決断にうなずけるのは、おそらくそのためだ。
Ballmer氏は「われわれには競争力を高めるチャンスがある」と述べたが、それを実現する具体的な方法に関しては、詳細を明かさなかった。
実はMicrosoftには重大な発表がいくつかあったが、同社はパートナーがプレスカンファレンスでそうしたニュースの多くを先に発表することを譲った。最も大きかったニュースは、Nokiaの「Lumia 900」の発表だ。Lumia 900は、Nokiaが1月9日に開催したカンファレンスで披露された。同社は洗練されたデザインの「Windows 7」ノートPC数機種も発表したが、それらはサムスン電子などの企業も独自のカンファレンスで発表している。
Microsoftもほかの企業と同様に、CESで何度か失敗している(「Slate PC」または「Hewlett-Packard Slate」を思い出してほしい)。したがって、同社が思い切って独自の重大発表を行う可能性は低かった。その代わりに、Microsoftは同社の強みを生かし、「Metro」ユーザーインターフェースや「Windows Phone」のユーザー体験、そして成功を収めているKinectを強調した。実際のところ、MicrosoftがCESで重要な製品発表を行ったのは、2001年の初代「Xbox」が最後である。
特集 : 年頭恒例!世界最大の家電ショー 2012 International CES
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」