Appleは「iPhone」や「iPad」に類似する製品に対し、知的所有権を主張して積極的に攻撃を繰り広げる一方で、「iOS」ソフトウェアに関する少なくとも主要な特許1件をNokiaとIBMにライセンス供与していたようである。そして同社はこの特許のライセンス供与を、現在激しく係争中のサムスンにも提案していた。
The VergeのNilay Patel氏は、米国時間12月2日夜に出された判決文に、Nokia、IBM、サムスンに関するこの情報を裏付ける内容が含まれていると報じている。同判決文は、iPhoneまたはiPadの複製であるとAppleが主張するサムスン製の複数端末に対して、Appleが求めた販売仮差し止め命令の請求を棄却する内容のものだった。The Vergeは、同判決文の黒く塗りつぶされた部分の下に隠された文章を入手したと見られる。
同判決文は、「(省略)特許保有者が以前に、同特許のライセンスを供与することにしたという事実は、合理的な使用料を支払えば侵害が補償されることを示唆する可能性がある(省略)」とした以前の訴訟を取り上げ、サムスン側に有利な情報としてライセンスに関するこの情報を示している。
この訴訟においてAppleは、同社が以前ライセンス供与できなかったiOSの「スクロールバック」機能に関する特許をサムスンが侵害していると主張している。同機能は、ユーザーがウェブページの範囲を超えてスクロールしたことをiOS端末が視覚的に示す方法に関するものである。
Patel氏は、2011年夏にNokiaとの特許紛争を和解した際にAppleが「iPhoneを独特たらしめる革新の大部分」に対するコントロールを維持したと述べたが、スクロールバックはiOSの最も特徴的な機能の1つであると指摘している。
Patel氏は、サムスンに対するスクロールバック機能のライセンス供与が盛り込まれた2010年11月のAppleとサムスンの和解に向けた話し合いがなぜ決裂したのか、また、どちら側の反対でこの話し合いが決裂したのかは明らかではないと指摘している。2社の間で現在、和解に向けた話し合いが進められているかどうかも明らかではない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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