アップルの「スライド式ロック解除」特許--専門家に聞く訴訟の可能性

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年11月07日 07時45分
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 Appleがスライド操作によるロック解除というデザイン要素の特許を取得していたことが先日判明した。筆者は、祖父の家の正門に1960年代からスライドして解錠する仕掛けがあったことを思い出した。Appleの面々は、ずいぶん前からそれを「発明」していなければならなかったことになる。

Appleが持つスライド式ロック解除の特許の侵害にあたるのだろうか。

 皮肉はさておき、「これで『Android』搭載端末はすべてAppleのこの特許を侵害することになる」のだろうか。もっと言えば、すべての「Windows 8」端末もこの特許を侵害しているというのか。おそらく、そうなのだろう。だが実際問題として、この特許に類似したスライド機構デザインを使用する者全員に、Appleが訴訟を起こすということなのだろうか。そこで、著名な知的財産(IP)の弁護士に本件について聞いてみた。以下はその回答である。

 IPの大手弁護士事務所Sunsteinのパートナーで同ビジネス部門のトップであるThomas Carey氏は、「今回のケースでは、この特許を無効とする可能性がある先行技術があるように思える」と述べている。Carey氏が指摘したのはNeonodeの端末「N1m」を映した動画で、その4分経過時の映像はApple製端末に先んじたもののように見える。

 「だが」とCarey氏は続ける。「Appleの特許請求の範囲はタッチ画面に関するもので、動画内の端末とは異なっている。とはいえ、同様の技術をタッチ画面に適用するのは明らかなことに思える。したがって、これは無効だ(この特許の優先権主張の日付は2005年12月23日で、NeonodeのN1m発売後)」(Carey氏)

 Appleがこの特許で誰かを訴えるとしたら、Googleや同社のAndroidパートナーではなくMicrosoftがターゲットになるかもしれない、とCarey氏はみている。なにしろ、「Appleは長年、自社の技術革新をMicrosoftに利用されてきた。そのため、Appleが自社の技術革新のために特許保護に動きだすと考えていいだろう」(Carey氏)

 だとしても、弁護士でありPublic Patent FoundationのエグゼクティブディレクターでもあるDaniel Ravicher氏は、Appleがこの特許に関する訴訟を起こすことはないとみている。「つまらない特許を取得することで、数千ドルの費用が発生するが、数という基準には密かに貢献する。訴訟を起こしてつまらない特許を主張すると決めれば、数百万ドルの費用が発生し、品質の要件から逃れることもできない。Appleがこの特許を主張してくるとは思えない」

 よって、近い将来にこの特許が怒りのまま法廷で使用されることはないだろう、というのが大多数の意見のようだ。そのほかの意味のない特許に関しては、また別の問題である。このような特許によって、モバイル端末用特許を巡る争いがこの先何年、何十年と続くのは確実なのだろうか。いや、もっとだろう。今は、祖父の家の古びた扉のことで弁護士がやって来ない限り、我慢できると思う。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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