これらの動きは、特にウェブの世界がFlashの世界とは大きく異なるものであることを考えれば、本格的な取り組みであることがわかる。多種多様な企業や組織が協力してウェブを構成するテクノロジを構築する一方で、FlashはAdobeの厳格な管理下にあった。
しかし、明らかに、Adobeはウェブプログラミングが無視できない存在であることを認識している。そして結局のところ、AdobeはFlash Player自体ではなく、デザインおよび開発用のツールを販売する企業だ。したがって、Flashに比べるとウェブはWild West(開拓時代の米国西部地方)のようなものかもしれないが、それでも同社にとって利益を見込める場所ではある。
Adobeが新たな方法を積極的に受け入れているからといって、同社はFlashを捨てたわけではない。むしろ、Adobeは、ウェブ標準では対応できない状況のための、よりハイエンドなテクノロジとしてFlashを位置づけようとしている。
Flashを嫌う大勢の人々は、AdobeがFlashを完全に捨て去ろうとしていないことに異議を唱えるかもしれない。しかし、同社にとって、それをするのは愚かなことだ。
たとえAdobeがFlashは歴史の中に埋もれていこうとしていると考えていたとしても(筆者にはそうなるとの確信はない)、今Flashを捨てることは、全速力で疾走中の馬から別の馬に乗り換えるのと同時に、降りようとしている馬を銃で撃つようなものだ。
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