Appleは「iPhone」と「iOS」を発表したとき、「Adobe Flash」の代替品で、それを置き換えるものとしてHTML5の採用を熱心に勧め、同プラグインは動作が遅い上に機能も不足しており、進歩も止まっていると述べた。それ以来、Adobe SystemsはFlashの改善に本気で取り組んでおり、複数の機能強化を実装している。ここ最近のリリースでは、速度と機能が大幅に強化された。Adobeは米国時間10月4日、この取り組みをさらに推し進め、「Flash Player 11」と「AIR 3.0」をリリースした。
Adobeはこれらのリリースで、同プラットフォームに高度なグラフィックスアクセラレーションのサポートをもたらしている。Adobeによると、新しいFlash Playerの新しい「Stage3D」テクノロジは、従来のFlashとAIRより最大で1000倍高速な2Dおよび3Dアクセラレーションを実現するという。現在のところ、Stage3DはPCのみでサポートされているが、今後のFlashリリースでモバイルデバイスにも対応するはずだ。
Stage3Dが提供する機能強化は、今よりもはるかに複雑なFlash Player向けグラフィックス開発を可能にするはずだ。そして、一部の開発者は自らのプロジェクト、とりわけクロスプラットフォームの取り組みにおいて、Flash Playerを有力な選択肢として検討できるだろう。
グラフィックスアクセラレーションに加え、Flash 11はすべての対応プラットフォームにおいて64ビットプログラムをネイティブにサポートするため、64ビットで記述されたブラウザやプラグインとの連携が向上する。さらに、セキュリティ強化やメディア処理、JavaScript統合の改善などの点で、開発者向けの新しい機能強化が多数追加されているので、将来的な開発を行う場合のFlash Playerの有用性も高まるだろう。
Adobe AIR(同社のクロスプラットフォーム開発環境)もStage3Dをサポートし、Flashに追加されたほかの強化点も備えている。さらに、ソフトウェアライセンシングやハードウェア、開発者が自らのプログラムにAIRをバンドルするためのキャプティブランタイムのサポート(AIRを個別にインストールする必要がなくなる)、AIRの機能を強化するネイティブ拡張など、「Android」デバイス向けのサポートも拡大されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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