「Windows」からの移行:現在Windowsマシンを使っていて、Macへの乗り換えを考えているという人のために、Lionはユーザーの最も重要なデータと個人ファイルをインポートできるツールを搭載し、移行作業を簡素化している。Lionは「Outlook」およびWindowsの連絡先、Outlookカレンダー、電子メールアカウント(Outlookおよび「Windows Live」メールを含む)、そして「iTunes」内のすべての音楽を自動的に転送する。ホームディレクトリのフォルダとコンテンツをインポートすることもできるので、最も重要なファイルをすぐに見つけることが可能だ。さらには、「Internet Explorer」や「Firefox」「Safari」からブラウザブックマークをインポートしたり、ローカライズ情報やデスクトップ画像を同期したりすることもできる。
Appleが可能な限り多くの新ユーザーを獲得するために移行プロセスを合理化したことは驚きではないが、作業をできるだけスムーズにするために同社がこれだけの労力をつぎ込んだことは評価したい。
全体として、Mac OS X Lionには250種類以上の新機能が搭載されている。その多くは小規模なものだが、すべて現在の一般的なプロセスを簡素化することを念頭に置いているようだ。マルチタッチジェスチャーに多くの力が注がれていることは、Appleが人気の高い製品ラインであるノートブックに注力していることを示しているが、デスクトップユーザーも歓迎するだろう有益な変更点も多く含まれている。
Mac OS Xにも不満な点はいくつかある。われわれはiOSデバイスのようにアプリケーションを起動するLaunchpadなど、いくつかの機能は少し策略的なにおいがすると感じたが、それと同時にiOSの設計美学を採用することは、(iPhoneでしかAppleを体験したことのない)新しいユーザーがMac OS Xに短時間で慣れるのにおそらく役立つだろうとも考えている。また、Lionを購入できるようになる前に「Mac OS X Snow Leopard」の購入を人々に強制することは、ひどいユーザー体験だと考えている。それはまるで、逐一アップデートをしなかったことに対する罰のようだ。Appleにも妥当な理由があるにせよ(Snow Leopardで初めてMac App Storeが導入された)、ユーザーが追加コストを支払うことなくアップグレードできる何らかの手段が提供されるべきだろう。これらの機能すべてを60ドル(Snow Leopardを持っていない場合)で入手できることは、試算した限りそれほど悪い話ではないといっても、単純に、不公平な印象を受けてしまう。
そうはいっても、インストール先がMacデスクトップであろうとノートブックであろうと、Lionの機能群はそれ自体の価格を考えると素晴らしいアップグレードだ。Mailアプリケーションの利便性を向上するアップグレードや非常に巧妙に設計されたMission Control、再開とオートセーブ、およびバージョンといったスマートな革新、そしてAirDropなどの追加機能は、あらゆるMacユーザーが歓迎するだろう。Snow Leopardユーザーにとって、このアップグレードは頭を悩ませることのない極めて容易な選択だ。Snow Leopardよりも古いシステムを使っているユーザーの場合でも、不公平な状況を受け入れて、複数の新機能を「Mac OS」に追加するだけの価値はある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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