さらに感銘を受けたのは、「Mac」のバックアップシステムである「Time Machine」を通して見たときのように、文書の過去バージョンを閲覧できるようになったということだ。つまり、文書の方向性が気に入らなかったときや実際に自分が必要なのは過去のバージョンの文書だと気づいたときなど、これまでのバージョンから最適なものを選ぶことが可能になった。オートセーブとバージョンは、ほぼすべてのユーザーが高く評価するだろう、本当に歓迎すべきLionの新機能だ。Lionのほかの新テクノロジと同様、バージョンも当初は「プレビュー」や「テキストエディット」「iWork」スイートといった中核的なアプリケーションでしか動作しないが、サードパーティー開発者が自らのアプリケーションに追加できるAPIとして公開される予定で、ほとんどの開発者はそれを利用するとわれわれは考えている。
オートセーブとバージョンが搭載されたことに加えて、ユーザーはMacを慌てて閉じるときにも心配する必要がなくなる。Lionの再開機能により、マシンを起動すると、最後にシャットダウンしたときに使用していたすべてのアプリケーションが開かれる。アプリケーション自体もシャットダウン時と全く同じ状態で開かれるため、ユーザーはすぐに作業を再開できる。デスクトップやシステム仕様、アプリケーションをシャットダウン時と同じ状態で再開したくない場合、または単にクリーンな状態でスタートしたい場合は、再起動時に再開機能を無効にするオプションが毎回表示される。状況によって、再開機能は迅速な作業の再開に大いに役立つが、再起動時にフレッシュな状態で起動するオプションが用意されているのも素晴らしい。
Mail:Lionでは、Appleの「Mail」アプリケーションにも全面的な見直しが行われた。Appleがユーザーの声に耳を傾けたのは明らかで、ニーズの高かった機能性の搭載や最も重要なアプリケーションの1つであるMailの使いやすさの向上など、多数の新機能が追加されている。多くの人がiPadのメールアプリケーションを思い出すであろう新しいワイドスクリーンビューは、メッセージのリスト(短いプレビュー付き)を左側に表示し、メッセージ全文とコンテンツを右側に表示する。フルスクリーンモードで新しいメッセージを作成するときには、ユーザーがメッセージの作成に集中できるように、メールボックスの表示が薄暗くなる。新しい「よく使う項目」バーがツールバーの真下に追加され、ユーザーはここからメールフォルダに瞬時にアクセスしたり、新着メッセージの数を一目で確認したりできる。こうした1つ1つの新機能によって、ファイルメニューを進んでいく手間やマウスをクリックする回数が少なくなるので、ユーザーはこれらの変更点の大半を気に入るだろう。フォルダ内をブラウジングする方法を好む人は、ツールバー左側の「表示」ボタンを押して、従来のようにフォルダを表示させることができる。
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