グーグルが公開するWi-Fi対応デバイスの位置情報--新たなプライバシーの懸念 - (page 3)

Declan McCullagh (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2011年06月17日 12時28分

 Googleの位置情報データベースを使えば、場合によっては、移動を追跡することもできる。米国時間6月8日に、サウスオブマーケットのWi-Fiホットスポットに接続していた1台のHTC製デバイスは、10日午後にはボルチモアワシントン国際空港にあり、その日の夕方にはアトランタ近郊の住所へと移動していた。喫茶店でのテストで見えていたデバイスは、ドイツのボーフムにあるルール大学の工学部棟から、メインストリートを渡って、大学本部ビルへと移動した。しかし、位置情報データベースがどのくらいの頻度でアップデートされているのかは不明であり、この2台のデバイスの位置は先週から変わっていない。

各社の反応

 Googleは声明で次のように述べている。「われわれは、Wi-Fiアクセスポイントの公開されたMACアドレスを収集している。ユーザーがモバイル機器で無線テザリングを有効にしている場合、その機器はWi-Fiアクセスポイントとなるため、そのアクセスポイントのMACアドレスもデータベースに含まれる可能性がある。頻繁に移動するWi-Fiアクセスポイントは、われわれの位置情報データベースにとって無用であり、その情報を破棄しようとさまざまな手順をとっている」

 Googleは、先週送った一連の質問には回答していない。質問の内容は、データベースからモバイルデバイスやノートPCを除外するためにどのような対策を取るのか、このデータ収集はどのようなプライバシーポリシーに基づいているのか、警察や民事訴訟の当事者からデータベースレコードの提出を要求されているか、といったことだ。Googleは、ユーザーが自分のデバイスのMACアドレスをデータベースから削除する方法を説明することも控えており、その点に関する質問が2010年9月にサポートフォーラムへ投稿されているが、まだ回答がない。

 Android搭載デバイスでは、AppleのiPhoneでは行っていない、プライバシー保護の手順を1つ行っているようだ。Android搭載デバイスでは、ホットスポットとして機能しているときは、未割り当てとされている一定範囲のアドレスを使用して、MACアドレスがランダム化される。

 Skyhookの共同創設者であるMike Shean氏は、MACアドレスがアクセスポイントであれば、iPhoneであろうとLinksysのルータであろうと「収集する」と述べている。Skyhookは2010年にGoogleを相手取って、地図情報技術をめぐる特許侵害訴訟を起こしている。

 しかしShean氏は、モバイルデバイスはロケーションフィックスを提供する上では役に立たないため、除外しようと努力しているという。「アクセスポイントがいくつかの場所に表示されれば、それはモバイルデバイスかもしれない。モバイルデバイスなら、そのアクセスポイントをモバイルデバイスに分類し、われわれのシステムで利用するには信頼度が低いと評価するだろう」(Shean氏)

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