(編集部注:こちらは、6月16日に公開の「グーグル、Wi-Fiに接続されたモバイル機器の位置情報を公開」に、オリジナル英文記事中にある未翻訳部分を追加し、一部を再編集して公開しています)
サンフランシスコ発--Wi-Fiをオンにしておくと、自分のコンピュータやモバイルデバイスの以前の位置情報が、ウェブ上で誰からでも見えるようになってしまう可能性がある。
米CNETは、Wi-Fiに接続された「iPhone」やノートPCなど、多数のデバイスのおおよその位置をGoogleが公開している、という情報を入手した。2011年に相次いで発覚している、ワイヤレスデバイスとプライバシーをめぐる問題は、新たな展開を見せている。
位置情報サービスを有効にしている「Android」電話機は、周辺にあるWi-Fiデバイスの固有のハードウェアIDを定期的にGoogleに送信している。同様のことは、Microsoft、Apple、Skyhookも行っており、世界中のアクセスポイントやルータの住所をマッピングしている。ユーザーにとっては、GPSのみの場合よりも、モバイルデバイスでの位置決定が速く行えるというメリットがある。
しかし、GoogleとSkyhookだけが、ハードウェアIDと住所を紐付けた位置情報データベースをインターネットに公開している。両社が追跡するハードウェアIDがモバイル機器のものである場合、プライバシーに関する新たな懸念が生じる。誰かにハードウェアIDを知られていれば、両社がハードウェアIDの持ち主と結びつけている住所を、その人物が見つけてしまう可能性がある。住所を公にするつもりがなくても、誰かに特定されるおそれがある。
米CNETがセキュリティ専門家のAshkan Soltani氏とともに、先週行ったテストでは、Wi-Fiを使用しているノートPCや携帯電話の約10%が、住所と対応した形でGoogleのリストに載っていることが分かった。Skyhookのリストとの一致は5%近くあるようだ。
「自分のノートPCがあった場所や、自分が住んでいた場所について、これほど正確なデータがあることに驚いた」。カリフォルニア大学バークレー校で、テクノロジと政策に関する研究室を共同で指導するNick Doty氏はこう語る。Doty氏の固有のハードウェアIDをGoogleのデータベースに入力すると、以前住んでいたシアトルのキャピタルヒルの住所が返ってくる。
仕組みはこうだ。PC、iPhone、「iPad」、Android携帯電話機などのWi-Fiに対応したデバイスは、MACアドレスと呼ばれる固有のハードウェアIDを、半径およそ100~200フィート(約30~60m)にあるあらゆる機器に送信している。このIDをキャプチャした人や、以前から知っている人は、GoogleやSkyhookのサービスを利用して、そのデバイスの以前の位置を知ることができる。この方法では、自宅や職場の住所はおろか、よく行くレストランの住所といった個人情報が公開されてしまうおそれがある。
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