Appleの「App Store」で、競争の激しいトップ25ランキングに留まることは、「Angry Birds」の開発元であるRovioのような企業にとって、狂気の科学のようなものだ。
Appleはアプリケーションのランク付けに、厳重に防御された独自のアルゴリズムを使っている。もちろん、アプリケーションの人気に火をつける要素はほかにもある。アプリケーションがニュース記事で取り上げられたり、幸運にもAppleが紹介してくれたりする場合などだ。しかし、Rovioのような小規模企業は、運とタイミング、マーケティング、そして経験に基づく開発を組み合わせて、ランキング上位に留まるための独自のツールキットを作成している。
Angry Birdsのようなやみつきになるゲームを作り、先日米国で公開されたアニメ映画「Rio」のような素晴らしい映画とコラボレートすることは、もちろん有利に働く。しかし、鳥をパチンコで飛ばすこの楽しいゲームの話とは別に、Appleのランキングに食い込んで、ランクインし続けるための策略と戦略がある。例えば、アップデートを絶え間なく公開することや、価格を変更すること、アプリケーションに関する口コミを広める手段をユーザーに提供することだ。
「こうしたことはゲーム開発の初期段階から考えなければならない。『このゲームを作る。このような独自の機能と永続性があるゲームだ』と言う必要がある」。Halfbrick Studiosのマーケティング担当ディレクターPhil Larsen氏はこのように述べる。
Halfbrickは、1年以上前にリリースしたヒットゲーム「Fruit Ninja」で有名になった。Fruit Ninjaはリリース以来、複数の国でAppleのランキングのトップ、あるいはトップに非常に近い位置を維持している。これまでのところ、99セントの「iPhone」版はAppleから600万回以上ダウンロードされており、「Android」や「Windows Phone」といったほかのプラットフォームからも多くダウンロードされている。Halfbrickは現在、Facebook向けのクイックプレイバージョンの開発に取り組んでいる。ZyngaやPopCap Gamesといった開発会社の事例と同様に、そうしたほかのプラットフォーム上での売上増をもたらす可能性が高い。
Fruit Ninjaは、果物に混じって飛んでくる爆弾を避けながら、画面上で指をスワイプして飛んでくる果物を切るゲームだ。HalfbrickはiPhoneバージョンに加えて、「iPad」ユーザー向けのHDバージョンも開発しており、このバージョンもAppleのランキング上位に食い込んでいる。
Larsen氏は、Halfbrickが独自タイトルのリリースを開始したときにマーケティング部門を指揮するために入社した。同氏によると、Fruit Ninjaが成功した大きな要因は、すぐにプレイを開始できるように設計されており、そのために何度もプレイしたくなるようにしたことだという。「昔のトランプゲームを思い起こさせるほどだ。中毒性があり、人々はプレイし続ける。核となるゲームプレイも満足のいくものだ」(Larsen氏)
とはいえ、その勢いを維持して販売を伸ばすための工夫も施されている。永続性のあるゲームプレイに追加する必要があるのは、プレイした後もゲームに足跡を残せるソーシャル機能だとLarsen氏は言う。
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