サンフランシスコ発--Googleは「Chrome OS」の成功を期待しているが、その成功の条件は非常に慎重に選んできた。
Googleは競合他社の多くと同様、市場浸透度によって成功を測定するという自然で理にかなった野心を抱いている。先週当地で開催のGoogle I/Oカンファレンスでは、「Android」デバイスのアクティベーション数が1億を突破したこと、これまでに310種類のAndroidデバイスが発売されたこと、そしてAndroidユーザーがこれまでに45億件のアプリケーションをダウンロードしたことを、即座に明らかにした。
データを信奉するGoogleはおそらく「Chromebook」の販売台数を数えるだろうが、それは最も優先順位の高い測定データではないという。Chrome担当シニアバイスプレジデントSundar Pichai氏がインタビューで語った。
「われわれの目標と主な基準は、販売台数とは別に、消費者、企業、学校のユーザーの間で非常に高い満足度を得ることだ。Chromebookを選んで購入してくれた人には、大いに満足してもらいたい」(Pichai氏)
ただしGoogleはChrome OS搭載ノートPCが万人向けでないことを認めており、販売をオンラインチャネルだけに限定している。オンラインチャネルでChromebookを購入する可能性が最も高いのは、それを積極的に探し求めている人だ。
「物理的な店舗で販売しない理由の1つは、大量に売ることが目標ではないからだ。ユーザーには自分が何を買おうとしているのかを分かってもらいたい。オンラインではチェックができる。物理的な店舗では、誤って買って行ってしまうこともあるかもしれない。そうしたことが起こるのは避けたい」(Pichai氏)
Chrome OSが既存のコンピューティングテクノロジと大きく異なることを考えると、その戦略は理にかなっている。Appleという企業は「ポストPC時代」について話すのを好むが、「iPad」と「iPhone」はアーキテクチャの観点から見るとPCに非常によく似ている。タッチスクリーンインターフェースによって直接的で物理的な操作が可能になるが、「iOS」は根本的な部分では、依然としてプロセッサ上でソフトウェアを動かし、ストレージシステム上にデータを保存するOSである。
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