サンフランシスコ発--Googleは米国時間5月10日、当地で主催した開発者向けカンファレンスGoogle I/Oで音楽ストレージサービス「Music Beta by Google」を発表したのち、記者会見でこの新サービスの合法性を強調した。
米CNETが5月10日夜に初めて報じたGoogleの新たな音楽サービスにより、ユーザーは手持ちの楽曲を最大2万曲、インターネットのクラウドに保存することが可能になる。これを利用することで、「Adobe Flash」に対応するウェブブラウザや「Android」搭載機器から、クラウド上の楽曲にアクセスできるようになるというメリットがある。このサービスはまだベータテスト段階にあり、米国の一部の招待ユーザー限定で提供開始された。当初このサービスは無料で提供されるが、5月10日午前のGoogle I/Oの基調講演で同サービスのデモを実施したGoogleのプロジェクトマネージャーPaul Joyce氏は、将来的には課金する可能性があることを示唆した。
Joyce氏はまた、将来Music Betaに追加する予定の機能をほのめかした。だが、現時点でGoogleが提供するのは、手持ちの楽曲をリモートのサーバに保存する機能だけだ。ユーザーは「クラウド」から新たな楽曲を購入することはできない。
GoogleでAndroid向けデジタルコンテンツ担当ディレクターを務めるJamie Rosenberg氏は、記者からの質問を受け、ユーザーが音楽ファイルをインターネット経由で転送することをGoogleが許可するという事実に、レコード会社が異議を唱えることを同社が懸念しているかどうかについて答えた。同氏は、合法的に入手した楽曲に限って保存することをユーザーに許可するため、Music Betaは「完全に合法だ」と返答した。一方でRosenberg氏は、Googleがレコード会社に対し、クラウドサービスを通じてGoogleのユーザーに楽曲を販売する機会を提供したいと望んだが、レコード会社はGoogleが受け入れられない条件を求めたことを認めた。
Rosenberg氏は交渉の詳細を明かさなかったが、Googleが音楽の作り手の権利を保護すべく取り組んでいることを強調した。
「われわれは著作権を大いに尊重している。そのため、音楽の作り手に敬意を払いながら、ユーザーが個人的な音楽コレクションを活用できるようなサービスを設計した」(Rosenberg氏)
Music Betaの合法性を確保するため、Googleは同サービスに保存されたコンテンツをどう取り締まるつもりなのかと問われた時、同社のAndy Rubin氏が割り込んで質問に答えた。Rubin氏は、権利保有者が同社のサービスに許可されていない楽曲が保存されていると考える場合、Googleはこれに対応する意向だと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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